橋本病が疑われる場合の受診の目安

どのような症状がみられたら受診した方がよいですか?
なんとなく続く倦怠感や疲れやすさがある場合や、周囲は平気なのに自分だけ寒い場合、
食事量は変わらないのに体重が増える場合、むくみやすいときなど、橋本病で甲状腺機能が低下していることで代謝が落ちている可能性があります。
また、坂を上ったり、階段を上がったりしているときなど、運動時の疲労感が普段より強くなった場合、橋本病が鑑別のひとつにあがります。さらに、脈が遅いこと(徐脈)も、橋本病によるものを含めた甲状腺機能低下症の特徴です。
さらに、甲状腺機能低下症ではうつ病や認知症と間違われるような症状が出ることがあります。
疲れやすい
むくみ
寒がり
体重増加
便秘
眠気
やる気が出ない
抑うつ気分
思考が遅い
集中できない
物忘れが増えた感じ
このような症状があらわれた場合、内分泌内科か、内科に受診してください。精神的な症状が目立つ場合は、精神科で採血を受けることも可能な場合があります。
橋本病が疑われるときの検査方法と診断基準を教えてください
橋本病による甲状腺機能低下症が疑われたときは、医師の診察に加えて、血液検査で血中の甲状腺ホルモンを含むホルモンの値を機能的に確認し、超音波エコーで甲状腺の様子を画像的に確認します。典型的な橋本病では、診察上甲状腺は腫大し、甲状腺ホルモンは低下して、エコー画像では甲状腺の組織が粗くなります。
甲状腺機能低下を確認したら、それが橋本病によるものかを確認するため採血で自己抗体を測定します。特有の自己抗体が陽性であれば、橋本病と確定診断されます。
橋本病はどのように治療しますか?
橋本病は自己免疫疾患であり、根本的な治療は難しいです。これは、自己免疫の発生自体を止める治療がないためであり、橋本病から甲状腺機能低下症に進むのを完全に予防することはできません。
橋本病により甲状腺機能低下症を発症した場合は、内服でのホルモン補充により治療します。
この薬は、ほとんどの場合で、生涯継続して内服が必要です。
ただし、橋本病によるものを含む甲状腺機能低下症の治療薬は、バセドウ病などの逆に甲状腺ホルモンが多量に出る甲状腺機能亢進症と比べて副作用が少なく、甲状腺機能亢進症と比べると安全性の高い治療を継続することができます。
編集部まとめ

周囲の方より寒がりだったり、労作時の疲れやすさが著しい場合は、一度内科で甲状腺機能を検査してみてもよいかもしれません。
橋本病は自己免疫によって甲状腺の働きが低下することがある病気ですが、適切に診断され、必要に応じて治療を行えば、過度に恐れる必要のない疾患であることが多いです。
特に、甲状腺ホルモンの不足が明らかになった場合には、内服薬によって不足分を補うことで、症状の改善や日常生活の質の維持が期待できます。
薬が必要になった場合は、自己判断で中断することなく、しっかり内服して不足している甲状腺ホルモンを補充しましょう。
参考文献
『橋本病(慢性甲状腺炎)』(日本内分泌学会)『Myxedema coma: challenges and future directions, a systematic survey and review』(Thyroid Res.)
- 酒井若菜「膠原病」闘病の現在。引退危機の絶望を超えて“難病”と向き合う姿とは
──────────── - 酒井若菜 “一生治らない病”にショック。関節などの異変から発覚した「自己免疫疾患」
──────────── - 「橋本病」の初期症状は見逃しやすい? 冷え・むくみ・疲れの裏に潜むサインとは
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