暖かくなり、外出する機会も増える春の季節。
昼と夜の寒暖差や、行楽地の混雑などの影響もあり、体調を崩しやすく、まだまだインフルエンザや感染性胃腸炎などにも注意が必要です。
予防策としては、引き続き手洗いを徹底することが大切でしょう。
そこで、外出中にどのくらい手が汚れるのか、また、付着した細菌を手洗いでどの程度減らせるかを検証してみました。
手のひらに付着した細菌を調べてみたら…
検証条件は以下の3つ。左の手のひらを『普通寒天平板培地(以下、寒天培地)』に圧着させました。
【検証条件】
①:出勤前に十分に手を洗った後に測定。
②:途中、電車のつり革、手すり、ドアノブなど不特定多数の人が触れる場所に触り、出勤後に測定。
③:ハンドソープで40秒間手をしっかり洗い、30秒間流水で泡を流し、ペーパータオルで拭いた後に測定。
それぞれの寒天培地を48時間培養し、一般細菌数を計数したところ、次のような結果になりました。
細菌数は出勤前の23(CFU=菌量の単位)から、出勤後は186(CFU)と増加。通勤途中に細菌が大量に手に付着していることが分かります。
手洗いによって139(CFU)まで減少しましたが、完全に除去されるわけではありません。
※写真はイメージ
手洗いの方法で全然変わる?5人の調査結果は…
次に、せっけんと流水で汚れを除去する、日常手洗いを研究員5人で実施し、手のひらの細菌数を測りました。
手のひらを寒天培地に圧着し、除菌表示のあるハンドソープで40秒間しっかり洗い、30秒間流水で泡を流して拭いた後、再び寒天培地に手のひらを圧着して細菌数を測定。
結果は次のグラフの通りです。
2人(A、E)は洗浄後の方が細菌数が多く、ほかの3人(B、C、D)も細菌はまだ残った状態でした。
AとEが、手洗い後に細菌が増えた原因として考えられるのは、爪に残った細菌がこぼれ落ち、再度手のひらに付着した可能性です。
爪の間には常在菌を含む多くの細菌が存在し、手のひら全体の8、9割を占めています。これらが手洗いすることで爪の外に出てくるのです。
※写真はイメージ
では、日常手洗いには意味がないのでしょうか。 いいえ、そんなことはありません。
手洗いの目的は、汚れと外部からの付着微生物の一部を落とし、正常範囲の状態を保つことです。

