夫を「DV男」扱いして被害者に浸る母に対し、父は自分の非を認め謝罪する。しかし母は可南子を無視し始め、最終日には親戚の前で「良い祖母」を演じる豹変ぶりを見せる。その無神経さに、可南子の堪忍袋の緒が切れた。
夫の気遣いに涙が止まらない
車内の空気は、まさに地獄でした。
学人のあんなに激しい怒りを見たのは初めてでした。でも、その直後の親戚の家では、彼は何事もなかったかのように、大人の対応で挨拶を済ませてくれました。
「本日はお招きいただきありがとうございます。娘も喜んでいます」
穏やかに微笑む夫。その横で、私は申し訳なさで涙が止まりませんでした。こんなに素敵な人が、どうして私の親のせいでこんな思いをしなきゃいけないの。
何も分かってくれない母
一方、母はというと、車に戻った瞬間、まるで自分が悲劇のヒロインであるかのように泣きじゃくり始めました。
「ひどい……あんな大きな声で怒鳴られるなんて……。怖くて何も言えなかった。その後に親戚の前で普通に笑ってるなんて、異常よ。可南子、あんたDVされてるんじゃないの?」
私は呆れを通り越して、乾いた笑いが出ました。
「お母さん、よくそんなことが言えるね。学人が怒ったのは、私とみちるを守るためだよ。自分たちがしたことを棚に上げて、被害者ぶるの?」
「どうせ私が全部悪いって言いたいんでしょ! 価値観が合わないなら、もう勝手にしなさいよ! あんたはもう嫁いだんだから、あっちの家と仲良くやっていけばいいじゃない!」
逆ギレ。それが母の唯一の防衛手段でした。

