お客様とパティスリーと生産者をつなぐ

さいたま市は2023年から3年連続で1世帯当たりのケーキ消費額が全国1位となり、プリンなどのそのほかのスイーツも上位にランクイン。市では市内で作られたおやつを「さいたまスイーツ」と呼んで、その魅力を発信している。

浦和PARCOの岡田昌利さん。「さいたまスイーツ」を地元に広げていきたいという思いから、昨年イベントを発案。今後も生産者に着目して、イベントを継続していきたいと話す
そんな“スイーツの街・さいたま市”を、もっと地元に浸透させていこうと立ち上がったのが、浦和駅前の「浦和PARCO」。近年、浦和エリアに増加する20~30代の夫婦やファミリーの転入者をターゲットに地域に根差した情報を発信。イベントの開催も積極的で、さいたまスイーツを取り上げる企画「すごい彩たまスイーツストリート」は今回で2回目となる。仕掛け人は、前回と同じく、浦和PARCO 営業課の岡田昌利さん。
「こうしたイベントは市内を中心としたパティスリーの方々に協力していただいてこそ成り立ちますが、今回は企画自体をもっと深掘りし、スイーツ作りに欠かせない農産物を作る生産者にも注目することにしました。さいたま市には都内や海外で経験を積んだパティシエが営む店が多く、レベルの高いスイーツが次々と生み出されています。パティシエたちの技量やセンスの賜物ですが、そうしたスイーツが誕生する原点は生産者がいることだと思うんです。
しかも農業が盛んな埼玉県では、旬の果物をはじめ、ケーキの材料となる農作物がいろいろと栽培・収穫されています。この街や県内に、おいしいスイーツの提供を支える生産者がいることを知っていただくことで、地元への誇りや愛着が増して、日常の豊かさにつながっていくとうれしいですね」
ケーキの背景にある生産者の姿を伝えたい

さいたまスイーツの重鎮・興野燈さん。都内のホテルなどを経て渡仏。2007年に浦和に「アカシエ」を開業、2010年に北浦和(現・本店)の店舗をオープン。ケーキは五十嵐さんのあまりんで作った、「あまりんのすごいショートケーキ(左)」と「タルト・フレーズ・あまりん(右)」
「生産者あっての私たちパティシエなんです」と話すのは、岡田さんの思いに共感し、今回のイベント参加を決めたという、パティスリー「アカシエ」のシェフ・パティシエの興野燈さん。日頃から埼玉県の食材と生産者へ目を向け、県産品をケーキや焼き菓子に取り入れている。
「私は生産者との交流を大切にしています。どんな人がどんな風に育てているかを知ることで、フルーツをはじめとした食材ひとつ一つを大事に扱いたくなりますし、よりおいしいものを作りたいという思いも高まるんです」
興野さんは、旬も重視。梅雨時期には越生の梅、夏は岡部のとうもろこし、秋から冬は日高の栗などを信頼できる県内の生産者から仕入れる。「今の時代、季節を問わずいろいろな食材が手に入りますが、旬のものはおいしいから、おいしいケーキができる。旬を大切にすることが、生産者への敬意にもつながると思っています」

