手術方法と術後の経過
編集部
手術はどういう方法になりますか?
木戸先生
一般的に日本で行われている従来法では、皮膚や精管周囲に針を刺して麻酔液を注入する局所麻酔を行い、陰嚢皮膚を2カ所、1~2cm程度切開して精管の処理をします。麻酔時の針を刺す痛みや薬液注入時の違和感があるほか、切開創を閉じるための縫合も必要です。
編集部
そのほかに方法はないのですか?
木戸先生
針を刺さない麻酔法として、霧状の麻酔液を噴霧する方法もあります。この方法では針を刺しての局所麻酔に比べて麻酔時の痛みを抑えられます。海外などで行われる、陰嚢皮膚を切開せずに小さな穴をあけて行う術式は傷跡も小さく、術後も下腹部に軽度の違和感が生じる程度で、強い痛みを訴える人はほとんどいません。
編集部
術後に起こり得るリスクはありますか?
木戸先生
下腹部の違和感を訴える人はいますが、多くは一時的なものです。ほかには、出血や感染などの一般的な手術リスクはありますので、その点も含めて説明を受けて、理解したうえで臨むことが重要です。
編集部
最後に、読者へのメッセージをお願いします。
木戸先生
パイプカットは手術を受けたら、元に戻すことは基本的に困難です。軽い気持ちや興味本位で受けるものではありませんし、少しでも迷いがある場合は、無理に決断する必要はありません。ご自身やご家族の将来設計を十分に考えたうえで判断することが大切です。また、術式の内容や術後のフォロー体制、通いやすさなども含め、納得できる医療機関を選んでください。前向きに考える人には、パイプカットの経験が十分にあり、きちんと説明をしてくれる医療機関で、信頼関係を築いたうえで受けてもらいたいと思います。
編集部まとめ
パイプカットは、男性が主体的に選択できる避妊方法です。一方で、基本的には元に戻すことを前提としない処置であり、自費診療で行われます。また、性感染症の予防効果はありません。手術内容や術式の違い、術後の経過について理解したうえで、医師の説明を受けながら検討することが大切です。

