私にとって、結婚の決め手は顔でした。これまでいろいろな方とお付き合いしてきましたが、私のタイプである「童顔で、垂れ目で、顔にほくろがある」男性と出会う機会は一度もありませんでした。顔が好みの相手と結婚できる人は、ほんのひと握りなのだろうと半ば諦めていたほどです。夫に出会うまでは、見た目の好みよりも、安定した収入や職業、世間体のほうが大切なのだろうと思っていました。


夫の顔から目が離せない
夫とは、サッカー観戦で知り合いました。夫は友人に連れられてきたグループの中にいたのですが、顔を見て目が合った瞬間、私は10秒以上も目が離せなくなってしまったのです。
私が20年以上ずっと理想にしてきた「童顔」「垂れ目」「顔にほくろがある」という3つの要素が、すべてそろっていたからです。なかでも、くりくりとした大きな目が印象的で、まさに理想をそのまま形にしたような顔立ちでした。
私があまりにも夫の顔を見つめていたため、友人からは「もしかして知り合い?」「苦手なタイプ? 大丈夫?」と言われたほどでした。「むしろ逆で、あまりにもタイプすぎる」と打ち明けると、気を利かせた友人たちが、私たちを買い出し担当にして、2人きりになる時間を作ってくれました。
初対面でプロポーズ!?
買い出し中は、彼女はいるのか、どこに住んでいるのか、どんな仕事をしているのか、連絡先を聞いてもいいのかなど、彼に聞きたいことが次々と頭に浮かびました。けれど、口をはさむ間もないほど、おしゃべり好きな彼がずっと楽しそうに話していて、私はそのマシンガントークを聞き続けていました。
そんな中、夫がふと「僕の顔、めっちゃ見てきますね」と声をかけてきたのです。冗談だとわかっていたものの、思わず動揺してしまった私は、「あまりにも顔がタイプすぎて、1秒も目を離したくないなって。結婚したいくらい好きな顔なんです!」と、心の声をありのまま伝えてしまったのです。私たちの前に並んでいたほかのお客さんが、ギョッとした顔で振り返ってきたのを覚えています。
そのあとも、本当はずっと夫の顔を見ていたかったのですが、自分で口にした言葉が恥ずかしすぎて、私はその場でうつむいてしまいました。そのため、当時の夫がどんな表情をしていたのかはわかりません。ただ、結婚後にそのときの話題になった際、夫は「本当にうれしかったよ。にやけないようにするのに必死だった」と、照れながら教えてくれました。

