教科書には載っていない「あなただけの名画」を見つける
『あなたの知らない耽美なる名画』(著:稲葉直紀)
定価:1,980円(本体1,800円+税)
体裁:A5判/144ページ(オールカラー)
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フランスやイタリアといった芸術大国の有名な作品は、確かに素晴らしいものです。
しかし、本書が焦点を当てるのは、北欧、東欧、さらにはアメリカやカナダ、オーストラリアといった、従来の美術史では「周縁」とされてきた地域の作品たちです。
19世紀から20世紀初頭にかけて描かれたこれらの絵画は、幻想的で神秘的、そしてどこか物悲しくも美しい「耽美」な魅力に溢れています。
なぜこの絵は、あまり知られていないのだろう。
なぜ、こんなにも惹かれてしまうのだろう。
そんな純粋な疑問とときめきこそが、アートを深く楽しむ第一歩になると本書は教えてくれます。
「教養」としての鑑賞から、「感性」としての耽美へ
現代のアート鑑賞は、しばしば「歴史的背景を知らなければならない」「文脈を理解しなければならない」という教養主義的なプレッシャーにさらされがちです。
しかし、著者の稲葉氏は「はじめに」の中で、視覚的な美しさを存分に味わおうとする「耽美主義」こそが、そうした風潮へのささやかな抵抗になると述べています。
・理屈抜きに、その色使いに目を奪われる。
・言葉にできない静謐な空気に心が癒やされる。
・描かれた少女の瞳に、自分だけの物語を重ねる。
本書は、美術館で背筋を伸ばして鑑賞する時のような緊張感を解きほぐし、「はじめての耽美」に出会うための扉を優しく開いてくれます。
「耽美」と聞くと、なにやらディレッタント的で、軽薄そうな印象を持つかもしれない。しかし視覚的な美しさを存分に味わおうとする鑑賞態度としての耽美主義は、現代の教養主義化された絵画鑑賞へのささやかな抵抗としてむしろ存在するべきだと考えている。そのような思いで日々絵画紹介を続けている。
そうして気の向くままに「耽美なる」絵画を探しているうちに、気がついたことがある。これらの絵画の多くが、「中心」から外れた、「周縁」のものとして置かれていることである。
本書では、西洋美術史のなかで地理的に「周縁」に位置付けられてきた、北欧や東欧の絵画に重点を置きながら、イギリス、フランス、ドイツ、さらにアメリカやカナダ、オーストラリアまで横断し、比較的知られていないと思われる絵画を紹介する。
(はじめにより)
