付き合いをやめて距離を置く決意をする。誘いを断り自分たちのペースを取り戻しかけたころ、保育園の集まりで再会の日が訪れる。
夫にこれまでのことを報告
その日の夜、私は仕事から帰宅した夫のハジメに、これまで溜め込んできた思いをすべて吐き出しました。
「……っていうことがあって。最近、会うたびに『そうちゃん無理』って言われるの。私の前だけじゃなくて、壮一に直接言ったりもするんだよ」
ハジメは夕飯を食べる手を止め、真剣な表情で私の話を聞いてくれました。彼は普段、穏やかで滅多に怒らない人ですが、話を聞き終えると、低く落ち着いた声でこう言いました。
「それは、いくらなんでも失礼すぎるな。冴香、よく今まで我慢してたね」
「やっぱり、そうだよね? 私の考えすぎじゃないよね」
「当たり前だよ。自分の価値観で他人の子を『無理』なんてジャッジして、それを親にぶつけるなんて、配慮がなさすぎる。例え心の中でどう思っていようが、口に出していいことと悪いことがあるよ」
ママ友の距離を取ってみたら、という夫のアドバイス
ハジメの言葉に、張り詰めていた糸がふっと切れたように、涙がこぼれました。
「彼女も『子どもはもともと好きじゃない』って言ってるし、正直な性格なのは分かるんだけど……。でも、壮一が悲しそうな顔をするのを見るのが、一番つらいんだ」
「冴香、その人に固執する必要はないよ。ママ友っていうのは、子どもを通じての関係であって、自分や子どもを傷つけてまで維持するものじゃない。少し距離を置こう。もし何か言われたら、僕が直接話をしてもいいし」
ハジメのアドバイスは、迷っていた私の背中を強く押してくれました。 仲が良いから何でも言える。それは信頼関係があってこそ成立するものです。相手を尊重せず、自分のストレスをぶつけるための免罪符ではありません。

