日本画家、川合玉堂の描いたなつかしい日本の情景 | 山種美術館
川合玉堂《早乙女》 1945(昭和20)年 絹本・彩色 山種美術館
山種美術館で開催される『川合玉堂 ―なつかしい日本の情景―』は、開館60周年を記念する特別展として、日本画家・川合玉堂(1873〜1957年)の画業を体系的に振り返ります。同館の創立者・山﨑種二は、しばしば玉堂邸を訪ねるほど玉堂と深く交流。そうした縁を背景に蒐集された玉堂作品は71点を超え、コレクションの中でも重要な位置を占めています。
円山・四条派を基盤に狩野派の様式も取り入れ、近代日本画における風景表現を切り拓いた玉堂。日本の山河をこよなく愛し、四季折々の自然やそこで営まれる人々の暮らしを情感豊かに描き出した作品は、どこか懐かしく、観る者の郷愁を静かに呼び起こします。
本展では、初期の代表作《鵜飼》から大正期の《紅白梅》(玉堂美術館)、昭和初期の《石楠花》、そして円熟期を示す《春風春水》や《早乙女》、戦後の第1回日展に出品された《朝晴》に至るまで、名作の数々が一堂に会します。古典的な筆法と写実的なまなざしを融合させながら展開した、玉堂芸術の歩みを通覧できます。
またスケートを楽しむ人々を描いた《氷上(スケート)》といったモダンな作品も見どころ。その他には横山大観や川端龍子らとの交流を示す作品も紹介され、玉堂の温かな人柄にも触れることができます。失われつつある日本の原風景を伝えるその世界は、あらためて自然の豊かさと美しさを気づかせてくれます。
※所蔵先表記のない作品はすべて山種美術館蔵
川合玉堂《氷上(スケート)》 1953(昭和28)年 紙本・彩色 山種美術館
『【開館60周年記念特別展1】 川合玉堂 ―なつかしい日本の情景―』 山種美術館
開催期間:2026年5月16日(土)〜7月26日(日)
所在地:東京都渋谷区広尾3-12-36
アクセス:JR恵比寿駅西口・東京メトロ日比谷線恵比寿駅2番出口より徒歩約10分
開館時間:10:00~17:00(入館は16:30まで)
休館日:月曜日[7/20(月・祝)は開館、7/21(火)は休館]
入館料:一般1400円、大学生・高校生1100円、中学生以下無料
美術館サイト:山種美術館
初公開の原画も!イラストレーター・安西水丸、そのすべて | PLAY! MUSEUM
展覧会ティザービジュアル
1970年代より小説、漫画、絵本、広告など多方面で活躍し、「仕事」と「あそび」を往還しながら独自の表現を築いた安西水丸(1942〜2014年)。その歩みを原画や印刷物、資料など約400点を通してたどる『イラストレーター 安西水丸展 ぼくのあそび I DRAW TO PLAY』が、東京・立川のPLAY! MUSEUMにて開催されます。
見どころのひとつは、近年アトリエで見つかった、村上春樹の初期短編『午後の最後の芝生』をイメージして描かれた原画が初めて公開されること。安西と村上は互いを「兄弟のようだ」と語るほど深い親交で結ばれ、エッセイや絵本といった数多くの仕事をともにしました。
PLAY! ならではの試みとして注目したいのが、作品のトレードマークとなった「ホリゾン(水平線)」をモチーフとした作品群です。約50メートルにわたる楕円形の展示空間いっぱいに、約70点もの「ホリゾン」作品を一挙に展示。安西の原風景であり、「ホリゾン」の由来ともなった房総半島・千倉の海の映像とともに、イラストレーションと記憶の風景とがひと続きに広がる空間が立ち上がります。
加えて、安西の収集品や制作の背景にも触れながら、そのインスピレーションの源泉をひもときます。展示鑑賞の後は、描いて作って楽しめる「水丸るワークショップ」に参加して、その軽やかな線の魅力を体感してみるのもおすすめです。
作品「猫と花」 illustrated by Mizumaru Anzai © Masumi Kishida
『イラストレーター 安西水丸展 ぼくのあそび I DRAW TO PLAY』 PLAY! MUSEUM
開催期間:2026年5月20日(水)〜7月12日(日)
所在地:東京都立川市緑町3-1 GREEN SPRINGS W3 棟 2F
アクセス:JR立川駅北口・多摩モノレール立川北駅(国営昭和記念公園方面)より徒歩約10分
開館時間:10:00~17:00(土日祝は18:00 まで/入場は閉館の30分前まで)
休館日:会期中無休
入場料:一般1,800円、大学生1,200円、高校生1,000円、中・小学生600円、未就学児無料
ウェブサイト:『イラストレーター 安西水丸展 ぼくのあそび I DRAW TO PLAY』
