脂肪肝が疑われるときには?
編集部
脂肪肝にはどのような症状がありますか?
奥山先生
脂肪肝の多くは、自覚症状がほとんどありません。健康診断の血液検査(ALT・ASTの上昇、およびASTよりALTが高い値となる※3)や、腹部エコーで肝臓が白く見えることで、初めて気づく人がほとんどです。ただし、放置すると炎症が進行し、MASH(マッシュ/代謝異常関連脂肪肝炎)や肝硬変、肝がんへ進展するリスクがあるため、早期の対応が必要です。
編集部
どのような検査を受ければよいですか?
奥山先生
血液検査(ALT、AST、γ-GTP※4)と腹部エコーが基本です。より詳しく調べるために、肝硬度測定(エラストグラフィ)や超音波減衰法、MRI検査、肝生検などを行う場合もあります。
編集部
疑わしい場合はどう対処すればよいのでしょうか?
奥山先生
糖質の摂りすぎを避ける、間食を減らすなど食習慣を見直すほか、運動習慣を身につける対策が効果的です。筋肉量を維持しながら脂肪を減らす意識が大切です。
編集部
痩せていても定期的に健診を受けるべきですか?
奥山先生
はい。体型だけではリスクを判断できないため、定期的な検査が非常に重要です。特に若い頃より体重が増えた人は要注意です。ご家族に脂肪肝と診断された人がいる場合も、気をつけたほうがよいでしょう。
編集部
最後に、メディカルドック読者へのメッセージをお願いいたします。
奥山先生
体型やBMIだけで健康状態を判断するのは危険です。たとえBMIが正常範囲内でも、健康診断で異常を指摘された場合はそのまま放置せず、早めに医療機関を受診してください。ASTよりALTが高い場合は、栄養の摂りすぎによる脂肪肝の可能性が高い状態です。腹部エコーも、脂肪肝発見の重要な手がかりになります。自己判断せず正確な評価を受ける姿勢が、将来の肝臓病を防ぐ第一歩です。
編集部まとめ
「標準体重だから安心」と思いがちですが、体内で起きている変化は外見だけではわかりません。ASTやALTの異常、エコー所見は、体からの大切なサインです。早めに医療機関で確認する意識が、将来における大きな病気を防ぐ近道になります。

