修平の両親から、「世間体がわるいから離婚しろ」という冷徹な言葉をあびせられる。孫のしあわせよりも、自分たちの保身を優先する義実家に絶望する友梨佳。一方、実母は、娘の過ちを叱りつつも、再生の決意をあたたかく支援する。
義実家は再構築に猛反対
「修平!聞こえてるわよ。やり直すなんて…。離婚しなさい!それ以外に道はないわ」
電話の向こうで、義母の声がつめたくひびいた。修平を介して、伝えられた義実家の意向…。あまりにも一方的で、血の通わないものだった。
「母さん!俺たちは今、話し合って……」
修平が食い下がっても、義父が電話をうばい取ってどなりちらす。
「だまれ! また手を出せば、お前が犯罪者になる可能性もあるんだぞ!私たちが、犯罪者の家族として世間から見られるんだぞ!」
義家族が心配しているのは、息子のしあわせでも、孫の将来でもなく…自分たちの「世間体」だけだった。
「充のことはあきらめなさい。親権は友梨佳さんにわたして、お前はお金だけ払って離婚するんだ。それがいちばん、傷があさく済む方法だ」
その言葉を聞いた瞬間、私の心の中で何かが弾けた。
(お金で解決? 子どもをあきらめる? …それが親の言うこと?)
義実家が離婚を要求する理由
修平は家での電話をあきらめ、一人外に出て、会話をつづけた。
「ごめん、友梨佳…。親父たちは、俺が逮捕されるのが、とにかくこわいみたいなんだ」
頭を抱えているような…とてもこまっている声だ。
「最近、夫婦げんかで奥さんが被害届を出して…ご主人が捕まった事件が近所であって…騒動になったんだよ…。それで、その家の人たち、近所の目に耐えられなくて、結局、引っ越したんだ。だから、余計に過敏になっているんだと思う」
私は修平の話を聞きながら、怒りにふるえていた。
(世間体…自分たちのことしか、頭にないの?)

