●死刑は賛成だけど、割り切れない
──日本の死刑制度をどう見ていますか。
関心を持つ前は、「悪いことをしたら死刑になるのは当たり前だろう」と思っていました。
でも、実際に死刑囚について調べていくと、簡単には割り切れない問題がいくつも出てきたんです。
それでも、死刑に賛成という考えは変わっていません。過去の凶悪事件の犯行内容を知ると、「ここまでは許されない」という線引きは、やはり必要だと思います。
ただ、この制度には矛盾が多い。本当にこれでいいのかな、という迷いはずっとあります。
●抑止力はあるのか、それとも…
──その「矛盾」とは?
たとえば、遺族にとって死刑執行がどんな意味を持つのか。そこには確実に影響があります。
一方で、「死刑になりたい」と考えて事件を起こす人や、新幹線殺傷事件(*)のように、刑務所に入るために、あえて死刑にならない程度を狙って犯行に及ぶ人もいる。
逆に、闇サイト殺人事件(*)のように「死刑になりたくないから」と自首したケースもあります。
一概には言えませんが、死刑制度が一定の抑止力として働いている面は否定できません。

ただ、本当に死刑が解決になるのかと言われると、迷いもあります。
被害者が一人か複数かで、刑罰が分かれる点にもひっかかりを感じます。被害者の人数は重要な要素ですが、それだけで線引きしていいのかという疑問は残ります。
(*闇サイト殺人事件・・・インターネット掲示板で知り合った男3人が2007年8月24日、愛知県名古屋市で帰宅途中の女性(当時31歳)を拉致し、金品を奪ってハンマーで殴るなどして殺害。遺体を山中に遺棄した)
(*新幹線殺傷事件・・・2018年6月9日夜、東海道新幹線「のぞみ」の車内で、乗客の女性2人がナタで切りつけられ、それを止めようとした男性(当時38歳)が首などを切られ死亡。事件を起こした小島一朗は「一生刑務所に入りたい」と述べ、無期懲役の判決が言い渡された時に万歳三唱した)

