●【ミニ解説】親が子どもの物を壊したら、罪になる?
ポイントはシンプルだ。
わざとじゃなければ刑事罰なしものを壊す「器物損壊罪」は、故意にやった場合に成立する。掃除機による不慮の事故=過失なので、犯罪は成立しない。
仮にわざとでも告訴がなければ起訴できない器物損壊罪は「親告罪」なので、告訴がないと起訴できない。
民事の損害賠償は理屈上あり得るただし、未就学児が親を訴える現実性はゼロに近い。新しいシールを買い与えて円満解決が現実的だ。
つまり、Aさんが罪に問われる可能性はないと言ってよいだろう。
●そして、運命の朝
やがて、子どもが目をこすりながら起きてきた。
夫婦は固唾をのんで、その反応を待つ。
子どもはテーブルの"ミニ海"をじっと見て、ひとこと。
「あ、シールだ」
泣くどころか、怒りもしなかった。
一晩で4分の3が消えたことに、気づいていないのか、それとも受け入れたのか。
せめてもの罪滅ぼしとして、朝の食卓には子どもの好きなウインナーが1本おまけされた。

