見逃さないために… 大腸カメラ検査の役割
編集部
大腸カメラ検査では、どのようなことが分かるのでしょうか?
鈴木先生
大腸カメラ検査では大腸の内部を直接観察するため、ポリープや小さながんなどの病変を確認できます。また、必要に応じて組織を採取したり、ポリープをその場で切除したりすることも可能です。
編集部
検査をしながら、病変も切除できるとは画期的ですね。
鈴木先生
最近では、下剤を飲んで行う大腸CT(CTコロノスコピー)もありますが、大腸CTの場合、病変を発見できても、治療はできません。一方で、大腸カメラ検査の場合、検査中にポリープやがんがあれば、その場で切除できるというメリットがあります。ポリープを早期に見つけて切除することで、大腸がんの予防につながります。また、生検による悪性腫瘍の鑑別ができる点も、大腸カメラ検査の大きなメリットの一つといえるでしょう。
編集部
便潜血検査だけではなく、大腸カメラ検査を検討すべき人について教えてください。
鈴木先生
血便、便通の変化(便が細くなった、便秘もしくは下痢気味になった)、腹痛などの症状がある場合はもちろんのこと、家族に大腸がんの人がいる場合や、40歳を過ぎて一度も大腸カメラ検査を受けた経験がない人などは、一度検査をすることを強く推奨します。症状の有無ではなく、自分のリスクを踏まえて検討することが大切です。
編集部
最後に、読者へのメッセージをお願いします。
鈴木先生
がん情報サービス(国立がん研究センター)が公開したがん死亡者数の順位(2024年)によると、日本でのがんによる死亡原因の中で、大腸がんは上位(女性では1位、男性では2位)に位置し、年々増加傾向にあります。便潜血検査は重要な検診の一つであるものの、進行した段階でないと見つからないケースが少なくありません。がんが進行してしまった場合、開腹手術や手術後の抗がん剤・放射線治療が必要になることもあります。大腸カメラ検査を行うことで、より早い段階でがんやポリープを発見でき、その場で切除できる可能性もあります。負担の少ない段階で大腸がんに対処するためにも、定期的に大腸カメラ検査を受けることを強くおすすめします。
編集部まとめ
大腸がんは初期には症状が出にくい病気です。また、健康診断の便潜血検査だけでは全ての病変を見つけられるとは限りません。便潜血検査は大腸がん検診として重要な役割を担っており、より詳しく調べる方法として大腸カメラ検査が存在しています。年齢や症状、家族歴などによって検査の必要性は異なるため、気になる人は医療機関で相談してみてください。

