電話越しに、義母の「自己保身」を冷静に指摘する友梨佳。「息子を信じていないのはあなた」と義母に突きつけた…。修平は親の歪んだ愛に気づき、守るべき者の優先順位を悟る。
義母との話し合いはどうなる?
「修平を追い詰めるようなことをするなんて…かわいそうだとは思わないの?」
義母の声が、次第に尖りはじめた。
(かわいそう? 暴力をふるった息子が? )
「追い詰めているわけではありません。二度と過ちをくり返さないための、私たちなりの『覚悟』です。それを信じてはいただけないでしょうか?」
「信じるとか…信じないとかの問題じゃないわ。職をうしなうかもしれない、世間に知られるかもしれない。その恐怖があなたに分かる?」
「それって…修平さんがまた暴力をふるう子だって、そう思うんですか?」
電話口で、義母の声が詰まる様子が伝わってきた。
「お義母さんたちは修平を信じていない。そして、修平が変わるためのサポートをする気もない。ただ、ご自分たちが傷つきたくないだけですよね?」
義母の見え透いた保身
「その節はいろいろと申し訳ありませんでした。不快な思いをさせたなら、あやまります」
義母は何か言いかけたが、これ以上の追及を逃れるためか、投げやりに言った。
「謝罪がほしいわけではありません。私たちは充のため、もう一度やり直すと決めたんです。私たちの覚悟を、見守ってはくださりませんか?」
義母はしばらくだまっていたが、ようやく吐き出すように言った。
「……わかったわ。好きにしなさい。後のことは、当人たちで決めてくれればいいわ。私たちはもう、口出ししません」
それは「承諾」というより、さじを投げたような言い方だった。自分たちの世間体に傷がつくリスクがある以上、「これ以上関わりたくない」…そんな本音が透けて見えた。

