楽しい思い出はあるが、今は憂うつで仕方ない
以前は、月一で家族ぐるみで遊ぶほど仲が良かった。彼女夫婦は慎吾のことを実の甥っ子のようにかわいがってくれて、慎吾も「沙織ちゃん!」と懐いていました。楽しい思い出は、確かにたくさんある。
だからこそ、今の彼女を「面倒くさい」「産後ハイだ」と冷めた目で見てしまう自分に、猛烈な罪悪感を感じるのです。
『ごめんね、最近ちょっと忙しくて。予定通り2週間後でお願いできるかな?』
勇気を出してそう送ると、数分もしないうちに返信が来ました。
『えー、忙しいって何?仕事?主婦なんて暇でしょ(笑)』
『うそうそ、冗談だよ!でも本当に暇なんだもん。お祝いの品とか気にしなくていいから、手ぶらでいいから来てよ!』
手ぶらでいい、という問題ではありません。彼女の「暇」を埋めるために、私の残りのHPを使い果たせと言うのでしょうか。ウェルカムボードの時と同じ。彼女はいつだって「自分の気持ち」が最優先で、受け取る側の事情を、1ミリも考えていない。
「……もう、既読つけるのもしんどい」
私はスマホを伏せました。
お祝いしたい。でも、会いたくない。
相反する感情が胸の中で渦巻き、私はひどい自己嫌悪に陥っていました。
あとがき:「善意」という名の無自覚なナイフ
「主婦は暇でしょ」という言葉、冗談でも胸に刺さりますよね。沙織の言動は、悪意がないからこそタチが悪い「無自覚な加害」です。相手の「暇」を埋めるために、自分の貴重な「命の削りカス(体力)」を差し出す必要なんてありません。過去の楽しかった記憶に縛られて、今の苦しみを我慢しなくていい。真理がスマホを伏せた瞬間、読者の皆さんも一緒に深く深呼吸してほしい……そんな願いを込めた回です。
※このお話は、ママリに寄せられた体験談をもとに編集部が再構成しています。個人が特定されないよう、内容や表現を変更・編集しています
記事作成: ゆずプー
(配信元: ママリ)

