「血圧を下げる薬」の”5つの種類と特徴”はご存じですか?副作用も医師が解説!

「血圧を下げる薬」の”5つの種類と特徴”はご存じですか?副作用も医師が解説!

高血圧の薬を服用するにあたっての注意点

高血圧の薬は、長く飲むケースが一般的です。ここで紹介する注意点を知っておくことで、よりしっかりとした効果を安全に得られるようになります。ぜひ覚えておいてください。

医師の指示を守って薬を服用する

高血圧の薬は、血圧の数値や年齢、持病、体質などに合わせて、種類や量、いつ飲むか等を調整して処方しています。そのため、「最近調子が良いから」と薬の量を減らしたり、服用を中止したりすることは絶対にしないでください。
自己判断で薬を中断すると、それまで抑えられていた血圧が急激に上昇する「リバウンド現象」が起こる危険があります。この急激な血圧上昇が、脳出血や心筋梗塞など、大きな病気の引き金になることもあるのです。血圧が安定しているのは薬が適切に効いているからで、決して「治った」わけではありません。また、急に血圧が上がった場合も、自己判断で手持ちの薬を増やすのは避けましょう。薬は種類ごとに血圧を下げる効果やタイミングが異なるため、自己判断での増量はさらなる体調悪化を引き起こす恐れもあります。
薬について気になることがある場合は、必ず主治医へ相談しましょう。

薬を服用して副作用が出た場合

医師の指示通りに服用していても、体質によっては薬の副作用が出ることがあります。 血圧の薬の代表的な副作用を、以下にまとめました。
・めまい・ふらつき
・だるさ
・空咳
・歯茎の腫れ
・息苦しさ
・発疹
・唇やのどの腫れ
とくに意識を失うほどのめまい・ふらつきや、発疹、唇やのどの腫れが出た場合は重い副作用が出ている可能性も考えられます。すぐに受診してください。ただし、感じている体の不調が副作用によるものなのかは診察を受けないと分かりません。気になる症状が出た場合は自己判断で薬を中止するのではなく、まずは主治医へ相談しましょう。

血圧をさげる薬は飲み合わせに注意

血圧を下げる薬は、特定の薬や食品といっしょに飲むと効果が弱まったり強まりすぎたりすることがあります。市販薬(特に風邪薬)などとの併用は気をつけなければならないこともあります。薬剤師や医師に確認をしましょう。
生活のなかで注意が必要なものを、2つ紹介します。

飲み合わせに注意が必要なもの 対象となる血圧の薬 理由

グレープフルーツジュース カルシウム拮抗薬 グレープフルーツジュースがカルシウム拮抗薬が代謝されるのを妨げて、血液中の薬の量が多くなる可能性があるため

非ステロイド系消炎鎮痛薬(NSAIDs) ARB・ACE阻害薬・β遮断薬・利尿薬など 薬の作用を弱めたり、腎臓の機能を下げやすくしたりする可能性があるため

飲み合わせに注意が必要なものを食べたり飲んだりしてから気づいた場合、まずは血圧を測って体調を確認しましょう。量が少なければ、問題ないケースも多いです。ただし、血圧に変化がある、体調不良があるなどの場合はすぐに主治医へ連絡しましょう。
また、一部の抗生物質や糖尿病の薬、免疫を調整する薬などにも、飲み合わせに注意が必要なものがあります。血圧の薬を飲んでいる方が医療機関にかかる場合は、お薬手帳を利用して必ず医師・薬剤師へ飲んでいる薬のことを伝えてください。

「血圧を下げる薬」についてよくある質問

ここまで症状の特徴や対処法などを紹介しました。ここでは「血圧を下げる薬」についてよくある質問に、メディカルドック監修医がお答えします。

血圧が高い人はどのくらいの数値から薬を飲むべきですか?

伊藤 陽子(医師)

どのくらいの血圧から薬が必要になるかは、「現在の血圧」と「その方が持つ心臓・脳の病気に関わるリスク」によって異なり、個人差があります。
たとえば血圧が140/90mmHgの基準値を少し超えた場合、その方に脂質異常症や喫煙習慣、脳や心臓の持病がなければまずは生活習慣の改善で様子を見ます。ただし、同じ140/90mmHgを少し超えた場合でも、脳や心臓の持病、糖尿病、たんぱく尿をともなう慢性腎臓病などのある方は、すぐに血圧の薬を開始することもあります。
なぜなら、高血圧の治療目的は単に「血圧を下げること」ではなく、「持続的な高血圧によって起こる脳や心臓のリスクを下げること」「高血圧の方がより健康で快適に暮らせるようにすること」だからです。そのため、リスクが脳や心臓の病気になるリスクが高い方ほど、薬物治療によるしっかりとした血圧コントロールが早くから必要になります。気になることは主治医に確認し、疑問点を解消して治療にのぞみましょう。

高血圧に効く代表的な薬はなんでしょうか?

伊藤 陽子(医師)

高血圧に効く代表的な薬は、以下の5種類です。
・カルシウム拮抗薬
・アンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬(ARB)
・アンジオテンシン変換酵素阻害薬(ACE阻害薬)
・β遮断薬
・利尿薬
これらの薬はそれぞれ異なる方法で血圧を下げ、場合によっては組み合わせることもあります。
現在の日本で治療のベースによく使われるのは、カルシウム拮抗薬とARBです。どちらも血圧を下げる効果が安定しており、臓器を保護する効果も期待できます。
ただし、使う薬の種類や量は、血圧の状態や持病の有無などによって異なります。どの薬が一番効くかは人によって異なるため、医師の処方した種類と量を守って服用しましょう。

自分に合う血圧の降圧剤は何科の病院で相談できますか?

伊藤 陽子(医師)

降圧薬については、内科で相談できます。
心不全や狭心症などの病気もある場合は循環器内科、腎機能の低下がある場合は腎臓内科が専門ですが、「内科」であれば基本的な高血圧の治療は問題なくおこなえます。ただし、紹介状を持たずに入院のベッド数が200床以上ある総合病院を受診すると、「保険外併用療養費(選定療養費)」という自費の負担が発生する可能性があります(令和7年11月現在)。そのため、まずは地域のかかりつけを担う内科クリニックや中小病院が基本の受診先となるでしょう。
血圧の治療は、長く続けることが基本です。「健康診断で血圧の異常を指摘された」「過去に血圧の薬を飲んでいたが、やめてしまい最近血圧が上がっている」などの方は、ご自分が相談しやすい内科をぜひ探してみてください。

高めの血圧を下げる薬で注意すべき副作用はありますか?

伊藤 陽子(医師)

高血圧の薬にも副作用はあり、とくに注意すべき内容は薬の種類によって異なります。
代表的な副作用を、いくつか紹介します。
・めまい・ふらつき:薬を飲み始めて体が慣れるまでや、血圧が下がりすぎたときに起こりやすい
・むくみ・ほてり:カルシウム拮抗薬によって血管が広がると起こる場合がある
・空咳:息苦しさのない乾いた咳で、ACE阻害薬で起こる場合がある
・徐脈:β遮断薬によって脈がゆっくりになりすぎると起こる場合がある
・唇の腫れ:ARBやACE阻害薬によってまれに起こる
副作用の種類や強さと現在の体調によって、薬を継続するか変更・減量するかは異なります。気になる症状が出た際は、早めに主治医へ相談しましょう。

配信元: Medical DOC

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