カテーテル治療とバイパス手術の流れ
心筋梗塞を発症した場合、詰まった冠動脈の血流を早急に再開させることが重要です。代表的な治療法は、カテーテル治療とバイパス手術です。患者さんの血管の詰まり具合や病変の場所、全身の健康状態などを判断して治療法が選択されます。ここからは、それぞれの治療の基本的な流れを解説します。
カテーテル治療の流れ
カテーテル治療は、局所麻酔で行われる身体への負担が少ない治療法です。まず、手首や足の付け根の動脈からカテーテルと呼ばれる細長い管を挿入し、心臓の冠動脈まで進めていきます。造影剤を使って血管が詰まっている部分を特定した後、カテーテルの先端についた小さな風船を膨らませて血管を内側から押し広げます。通常1〜2時間で済み、術後の回復も早いため選択されやすい治療法です。
バイパス手術の流れ
バイパス手術は全身麻酔で行われる開胸手術です。冠動脈の複数の場所が詰まっている場合や、カテーテル治療では対応が困難な病変を持つケースで行われます。手術は患者さんの胸の裏側や腕、足などから代用の血管を採取して、詰まっている部分を迂回するように血管をつなぎ合わせます。手術は3〜6時間ほどかかり、術後は管理が必要となるため入院期間は長くなる傾向です。
心筋梗塞の予防法
心筋梗塞は、心臓の筋肉に血液を送る冠動脈が詰まり、心筋が壊死してしまう病気です。心筋梗塞はある日突然襲ってくる病気ですが、心筋梗塞の引き金となる動脈硬化は日々の生活習慣と密に関わっています。血管が詰まって心臓の筋肉に酸素が届かなくなる事態を防ぐには、日々の健康管理が大切です。健康診断で少し数値が高いだけだからと後回しにするのは禁物です。ここからは心筋梗塞を予防するために、今日からすぐに始められる5つの生活習慣のポイントをご紹介します。
バランスのよい食事
血管の健康を守る基本は毎日の食事にあります。意識したいのは、動脈硬化を促進させる脂質や糖質の摂りすぎを抑え、血管を強くする栄養素を取り入れることです。抗酸化作用のある緑黄色野菜や血液をサラサラにする効果が期待できる青魚を積極的に取り入れましょう。また、海藻やキノコ類に含まれる食物繊維は、コレステロールの吸収を抑えてくれます。主食や主菜、副菜を揃え、栄養バランスの整った食事を1日3食規則正しく食べることが大切です。
塩分制限
塩分の摂りすぎは高血圧を招き、血管に絶えず負担をかけることになり心筋梗塞のリスクを跳ね上げます。まずは出汁を利かせて薄味に慣れたり、醤油やソースは直接かけずに小皿に取ったりなどの工夫から始めましょう。目標は1日6g未満でカリウムを多く含む生野菜や果物を摂取して、余分な塩分の排出を促すのも効果的です。調理の際は、出汁の旨味やレモンなどの酸味、香辛料を活用することで、少ない塩分でもおいしく食事が楽しめます。
禁煙
喫煙は心筋梗塞の危険因子の一つです。タバコに含まれるニコチンは血管を収縮させ、一酸化炭素は血液の酸素運搬能力を低下させます。これによって、心臓への負担が増加して血管が傷つきやすくなります。本数を減らすだけではなく喫煙を断つことが不可欠です。自分自身の命はもちろん、周囲の方を受動喫煙から守るためにも禁煙に努め、心筋梗塞の発症リスクを減らしましょう。
適度な運動
適度な運動は肥満の解消のほかに、血圧や血糖値の改善に役立ちます。ウォーキングや水泳などの有酸素運動を少し息が弾む程度に行うのもよいでしょう。激しい運動をたまにするよりも、無理のない範囲で継続することが大切です。また、通勤のときに一駅分歩くなど、日常生活のなかでこまめに身体を動かす習慣をつけましょう。
ストレスを溜め込まない
ストレスは交感神経を刺激して、血圧や心拍数を上昇させて血管を収縮させるため、心臓に負担をかけます。ストレスを完全になくすのは難しいですが、自分なりの上手な発散方法を見つけることが不可欠です。趣味の時間を作ったり、ゆっくりとお湯に浸かってリラックスしたり、親しい友人との会話を楽しんだりして心身を休めましょう。真面目な方ほどストレスを溜め込みがちですが、心身ともに意識してオフにする時間を作りましょう。

