現在は週に一度の作り置きが趣味
山小屋を辞めて8年が経ち、現在は東京で一人暮らしをしている。在宅ワークで、食事はほとんど自炊だ。といっても朝はコーヒーだけなので、作るのは昼と夜だけ。
今は週に一度、おかずの作り置きをしている。

近所のスーパーで野菜が安くなる水曜に一週間分の食材を買い、作り置きをする。作るのはだいたい6~7品。それ以外に、鍋の具材を切ってポリ袋に入れた「鍋セット」も作る。あとは、肉や魚を一食分ずつ小分けにして冷凍し、卵は一パックすべて茹でてしまう。

鍋セット
これらを、きっちり一週間で食べきる。だから火曜の夕飯を済ませると冷蔵庫がからっぽだ。
これは、「料理スキル」というよりも「在庫管理スキル」のなせる技だ。何を隠そう、山小屋時代の私は「在庫の鬼」と呼ばれ、他のスタッフから「背中に『在庫』ってタトゥー入れてんじゃないの?」といじられるくらい在庫管理に厳しかった。山小屋は二週間に一度、ヘリで食材を荷揚げする以外は食材が手に入らないので、在庫管理スキルが生命線なのだ。そのせいか、今も、家にある食材を完全に把握できている。
作り置きをしていると言うと、よく「メニューを決めてから買い物に行くの?」と聞かれる。私の場合、メニューは決めずに行き、その日安くなっている食材を買ってくる。そのほうが安上がりだからだ。
そう言うと「毎回同じメニューにならない?」と言われるが、まさにその通りで、作り置きのメニューはほぼ毎週同じだ。でも、別にそれでいいと思っている。子どもがいれば食育のためにさまざまな料理を食べさせたいと思うこともあるかもしれないが、私はすでに食育の済んでいる大人なので、食べ慣れたものだけでいい。


別の週の作り置きだが、内容は似通っている
山小屋の時と同じで、毎回、同じ料理を作るからこそムダな動きが削ぎ落されて、今では2時間もかからずに作り置きが完了する。
それでも季節がめぐれば安い野菜も変わってくるので、自然とメニューも変わる。冬なら白菜とツナのサラダがレギュラーになるし、夏ならズッキーニの煮びたしや春雨サラダがレギュラー入りする。
作り置きは今や私の趣味だ。推奨されないのだけれど、お酒を飲みながら作ることが多い。お酒を飲み、YouTubeやラジオを流しつつ作り置きをする時間は、うっとりするほど楽しい。
食事は、だいたいごはんに作り置きをのせた「作り置きのっけ丼」を昼食に食べる。

作り置きのっけ丼
夜は鍋が多い。お鍋にお湯を沸かして、冷凍した鍋セットとメインの具材(豚肉か鶏肉か鮭)を入れて、味をつける。昨日は豚キムチ鍋、今日は石狩鍋、明日は鶏の水炊き…といった具合だ。よく「毎日鍋で飽きない?」と聞かれるが、メインの具材と味付けを変えていれば意外と飽きない。
また、大きなお皿に作り置きを少しずつ盛り付けて「前菜盛り合わせ」みたいにして、お酒のつまみにすることもある。本当の前菜盛り合わせならばそのあとにメイン料理が来るはずだが、私は少食の酒飲みなので、この一皿でお腹がいっぱいになる。
たまに鍋以外を食べたくなった時は、別の料理を作る。カレーか、ひき肉とかぶの中華がゆか、長谷川あかりさんの「薬味たっぷり出汁カレー」を作ることが多い。

「薬味たっぷり出汁カレー」。本家以上に薬味が多い
…というふうに、私の自炊はいつの間にかライフスタイルに合わせて最適化されていった。おかげで、無理なく続けられている。
肉野菜炒めと野菜の肉巻きの手間の違いすらわからないところから、思えば遠くへ来たものだ。
もし料理が苦手で悩んでいる方がいたら、私の例を参考に、自分の伸びしろを信じてほしい。
