迫力だけではない、愛らしい細木数子の一面を表現
戸田恵梨香さんといえば、ドラマ『大恋愛〜僕を忘れる君と』(TBS系)や、永野芽郁と母娘役を演じた映画『母性』、NHK朝の連続テレビ小説『スカーレット』などでの鬼気迫る名演が印象深い演技派俳優です。『地獄に堕ちるわよ』でも、細木数子の妖艶で鬼気迫る存在感を見事に表現しています。華奢な身体の中にある太い芯と、華やかな容貌に隠れたおどろおどろしい欲望――戸田さんのビジュアルだからこそ、まるで対極にあるような細木氏の内に秘められたものを浮かび上がらせ、際立たせているのではないでしょうか。
迫力に欠けるという意見も見られますが、それこそが完全で完璧なヒールになり切れない『地獄に堕ちるわよ』の世界の中に生きる、細木数子としての愛らしさを感じさせます。
10代~40代を演じ切る貴重な俳優
また、戸田さんの自然に目が奪われるような容姿は、クラブが繁盛したり、数々の男が惹きつけられる過程を最低限の描写に収める効果を生んでいます。そもそもこの作品は、細木氏が占い師として表舞台に登場するころまでの10代〜40代前後の年代をメインとして描いていもの。だからこそ現在、30代の戸田さんが演じても不思議ではありません。むしろその幅広い年代をカバーできる俳優さんは希少なのです。

