本当の友情を実感
以前のような、毎日べったりの関係ではないけれど。お互いの人生のフェーズが変わっても、形を変えながら続いていく関係。それこそが、30代からの「本当の友情」なのかもしれません。
「真理、顔色が良くなったね。もう悪阻、抜けてきた?」
仕事から帰った祥吾が、うれしそうに言いました。
「うん、少しずつね。……祥吾、あの時相談に乗ってくれてありがとう。一人で抱え込んでたら、きっと沙織との縁を切っちゃってたと思う」
「はは、僕はただ、真理がどうしたいか聞いた形を整えただけだよ。答えは自分の中にあったんだから」
私は、窓の外の柔らかな夕焼けを眺めました。沙織との距離感。自分自身の体。家族との時間。どれも、自分が大切に扱わなければ、簡単にれてしまうものばかり。
「……よし。今度は私から、お礼のラインしてみようかな」
私はスマホを手に取りました。でも、急ぐ必要はありません。私のペースで、私たちの距離で。
『沙織、お茶届いたよ。ありがとう。美味しくいただくね。体調が安定したら、またゆっくり会いましょう。楽しみにしてるよ。』
送信ボタンを押した指先は、以前よりもずっと軽やかでした。空は晴れ渡り、私の心も、おなかの中の命も、穏やかな春の風に包まれているようでした。
あとがき:30代からの「アップデート」された友情
毎日連絡を取り合い、すべてを共有することだけが友情ではありません。環境や体調に合わせて、形を変えながら続いていくのが「大人の親友」のあり方。真理が感じた「軽やかな指先」は、無理をして相手に合わせていた鎧を脱ぎ捨てた証です。皆さんの周りにも、少し距離が近すぎて苦しい人はいませんか?この物語が、あなたの心地よい距離感を見つけるための一助になれば幸いです。
※このお話は、ママリに寄せられた体験談をもとに編集部が再構成しています。個人が特定されないよう、内容や表現を変更・編集しています
記事作成: ゆずプー
(配信元: ママリ)

