『隠れ糖尿病』の初期サインをご存じですか? 血糖値がどうなると「境界型」?【医師解説】

『隠れ糖尿病』の初期サインをご存じですか? 血糖値がどうなると「境界型」?【医師解説】

糖尿病というと、「肥満体型の中高年の病気」といったイメージを持つ人も多いかもしれません。しかし実際には、そうとは限らないようです。本記事では、桑名メディカルクリニック院長の堀田康広先生に、糖尿病の基本から、見逃されやすい“隠れ糖尿病”のサイン、隠れ糖尿病の検査などについて話を聞きました。

※2026年1月取材。

≫【一覧でわかる】『隠れ糖尿病』の初期サイン 堀田 康広

監修医師:
堀田 康広(桑名メディカルクリニック)

2009年三重大学医学部医学科卒業。その後、山本総合病院(現・桑名市総合医療センター)や三重大学医学部附属病院、桑名市総合医療センター糖尿病内分泌内科医長、同部長などを経て現職。日本内科学会総合内科専門医・領域指導医、日本糖尿病学会糖尿病専門医・研修指導医、内分泌代謝・糖尿病内科領域専門研修指導医。

まずは知っておきたい糖尿病の基本

まずは知っておきたい糖尿病の基本

編集部

糖尿病について教えてください。

堀田先生

糖尿病は、血糖値を下げる働きを持つインスリンが十分に分泌されなかったり、うまく臓器に作用しなくなったりする影響で、血糖値が慢性的に高くなる病気です。初期には自覚症状がほとんどなく、気づかないまま進行しやすい点が特徴です。

編集部

糖尿病にはどのような種類がありますか?

堀田先生

大きく分けて1型糖尿病と2型糖尿病があります。日本人に多いのは2型糖尿病で、体質に加えて食事や運動などの生活習慣が関連しています。このほか、妊娠中に血糖値が高くなる妊娠糖尿病など、特定の時期に起こるタイプもあります。

編集部

初期の段階では、症状はほとんど出ないのでしょうか?

堀田先生

はい。糖尿病の典型的な症状である「のどの渇き」や「頻尿」などは、初期にはほとんど見られません。自覚できないため「自分は大丈夫」と思い込み、発見が遅れるケースも少なくありません。例えば健康診断で血糖値の異常を指摘された経験のない人でも、「隠れ糖尿病(耐糖能異常)」と呼ばれる状態に陥っているケースがあります。

“隠れ糖尿病”とは? 見逃されやすいサイン

“隠れ糖尿病”とは? 見逃されやすいサイン

編集部

「隠れ糖尿病」とはどのような状態ですか?

堀田先生

「隠れ糖尿病」は正式な病名ではありません。空腹時血糖値は正常でも、食後に血糖値が大きく上昇する状態を指します。特に重要な基準は食後2時間の血糖値で、140mg/dLを超える場合は「境界型」とされ、経過観察が必要です。さらに、食後血糖値が200mg/dLを超える状態が続くと動脈硬化症や心血管疾患のリスクが高まり、将来的な死亡率も上昇すると言われています。

編集部

なぜ健康診断では指摘されにくいのでしょうか?

堀田先生

多くの健康診断では空腹時血糖値を測定するため、食後の血糖変動までは評価されません。そのため初期の異常が数値に表れず、見過ごされるケースがあります。

編集部

若くても、痩せていても注意が必要ですか?

堀田先生

隠れ糖尿病では「若さ」「痩せている」という要素も、安心材料にはなりません。現在は、若くて痩せている人でも糖尿病を発症するケースが少なくありません。特に日本人は見た目が細くても内臓脂肪がたまりやすく、もともとインスリンの分泌量や働きが弱い体質の人が多い傾向にあります。そのため血液中の糖をうまく細胞に取り込めず、血糖値が上がりやすいのです。膵臓の働きが強ければ、多少血糖値が上がってもインスリンによって糖を細胞に取り込めます。しかし、日本人ではこの調整がやや不十分な人が多いため、体型にかかわらず注意が必要です。

編集部

隠れ糖尿病の人に表れる日常生活で気づきやすい変化はありますか?

堀田先生

強い症状は少ないものの、食後に強い眠気が出る、疲れが取れにくい、体重が増えやすいといった変化がサインになるケースがあります。こうした小さな変化を見逃さない姿勢が大切です。

配信元: Medical DOC

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