脳トレ四択クイズ | Merkystyle
「やめなさい」だけでは変わらない…親として気づいた“本当に伝えるべきこと”|息子がいじめる側になった話

「やめなさい」だけでは変わらない…親として気づいた“本当に伝えるべきこと”|息子がいじめる側になった話

「どうなりたいか」を選ぶということ

先生 母

確かに、そうかもしれない。
場の空気を読んで、言葉を選んで、本当の気持ちとは違う行動を取ることだってある。

「ただ」

森下さんは、少しだけ間を置いた。

「その先で、どうするかは別の話なんです」

「……どうするか?」

「誰の側に立つのか。どう振る舞うのか」

ゆっくりと、言葉を紡ぐ。

「それは、その子自身が決めていくことになります」

その言葉は、厳しいものではなかった。
でも、まっすぐに届いてくる。

「周りに合わせてしまうこと自体を、完全にやめさせるのは難しいかもしれません」

「……はい」

「でも、その中で“どうありたいか”を考えることはできると思うんです」

その言葉を聞いたとき、胸の奥で何かがほどけた気がした。

私はずっと「やめさせなきゃ」と思っていた。

同じことをしないように。
悪いことをしないように。

でも──それだけじゃなかったのかもしれない。

「どう振る舞うか」
「どうなりたいか」

それを、悠真自身が考えていくこと。

「……私、ずっと“やめなさい”しか言えてなかったかもしれません」

小さくそう呟くと、森下さんは穏やかに微笑んだ。

「気づけたことが、大きいと思いますよ」

帰り道。
悠真の手を引きながら、私は考えていた。
この子に、何を伝えるべきなのか。

ただ正しさを押しつけるんじゃなくて。
怖さから逃げるための選択だけでもなくて。

「どうしたいか」を、選べるように。
「どんなふうになりたいか」を、考えられるように。
そのために、私ができることは何か。

まだ答えははっきりしない。
でも、少しだけ、進む方向が見えた気がした。

あとがき:“やめさせる”から“選ばせる”へ

子どもの問題行動に直面したとき、「やめさせること」に意識が向きがちです。しかし本当に大切なのは、その行動の先にある“選択”に目を向けることかもしれません。

本作では、「同調をやめさせる」のではなく、「どう在りたいかを選ばせる」という視点の転換を描いています。親として何を伝えるべきか。そのヒントになる回です。

※このお話は、ママリに寄せられた体験談をもとに編集部が再構成しています。個人が特定されないよう、内容や表現を変更・編集しています。

記事作成: tenkyu_writing

(配信元: ママリ

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