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愛犬チロルはなぜ死んだのか 歯石除去中に急死、飼い主が本人訴訟で“カルテの矛盾”突き止め勝訴

愛犬チロルはなぜ死んだのか 歯石除去中に急死、飼い主が本人訴訟で“カルテの矛盾”突き止め勝訴

●ネットや市販テキストで独学、裁判官の助言も参考に

女性はネットで法律情報を集め、『本人訴訟ハンドブック』や『民事尋問戦略』などの本を読み込みながら訴状を書き上げた。

「中学校の社会の教科書を開くような感覚でした」

さらに、獣医学の専門書にも目を通した。獣医学生が使うテキストを熟読し、準備書面を作成していった。

法廷では、裁判官から「書面が読みにくいです」「次はここをポイントにして整理してください」と指摘を受けることもあった。

それでも女性は助言に従って修正を重ね、少しずつ主張を組み立てていった。

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ある時、取り寄せたカルテのモニター記録に違和感を覚えた。

病院側から説明されていた「心肺停止」の時刻より後にも、血圧を測定した記録が残っていたのだ。

「血圧が測れるということは、心臓が動いて脈があるということです。やっぱりおかしいと思いました」

病院側によると、チロルが亡くなった日は北九州市が雪に見舞われたため、歯石除去に立ち会っていた看護師を帰宅させていた。

その後は、獣医師が一人で、麻酔をかけたチロルを処置していたという。

さらに、モニターの警報アラームもオフになっていた。

福岡地裁小倉支部(今泉愛裁判長)は2025年2月、獣医師が単独で処置にあたっていたことや、アラームをオフにしていたこと、処置内容や監視体制について事前の説明を怠ったことを認定し、チロルの死亡との因果関係を認めた上で、病院側に対して女性へ約53万円を支払うよう命じた。

●チロルが残したもの

仕事を続けながら、睡眠時間を削って裁判資料と向き合う日々は3年に及んだ。

なぜ、そこまでして闘い続けたのか。

女性は静かに語る。

「やっぱり、私と同じような思いをする飼い主やワンちゃんが、これ以上現れてほしくないという思いが強かったです」

チロルが亡くなるまでは、裁判所に足を運んだことすらなかった。

それでも今回の経験を通じ、「司法を身近に感じた」と話す。

「4年間、悪いことばかりじゃなかった。裁判官は私の話を親身になってうなずいて聞いてくれました。裁判所には丁寧に審理していただいて、本当に感謝しています」

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そして最後に、こう語った。

「チロルが亡くなったことで、私自身も看護師として、患者さんや家族により寄り添えるようになったというか、医療に対して、より慎重に、安全に向き合えている感じがします。これもあの子が残してくれたものなのかなと思っています。こうした経験が少しでも伝わって、安全な医療体制につながってほしいです」

*この記事は読者からの情報提供をもとに取材・作成しました

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