「このままでいい」から治験参加を決意したきっかけ
Q:
その後、知人の紹介で鈴木先生と出会い、治験に参加することになりました。「治療せずに過ごしたい」というお考えが変わったきっかけは何だったのでしょうか?
秋吉さん:
知人から「治験を受けられる病院だ」と伺っていたので、もし先生からお話が出たら受けようと考えていました。実際に治験のお話が出た際、治療内容を伺うと「注射だけ」で、最初の3日間だけ入院し、あとは通院で大丈夫とのことだったので、「これなら大丈夫かもしれない」と思って受けることを決めました。
もう一つ大きな理由があります。実は、2016年に母をステージ4のぼうこうがんで亡くしました。10時間かかる大手術や、苦しい抗がん剤治療をしたにもかかわらず、病気が分かってから1年で、母は亡くなってしまいました。そうした姿を見ていたので、「がん治療はつらいものだ」という思いがありました。ですが、注射だけで済む治療なら受けるしかないと決心しました。
Q:
現在も仕事を続けており、治療終了後も無治療で元気に過ごされています。最後に、同じように「経過観察」を続けていて不安を抱える全国の患者さんへメッセージをお願いします。
秋吉さん:
経過観察が続くというのは大変不安でしょう。治療に挑戦してみるのも一つの選択です。希望を持って治療を受けていただけたらなと思います。
これからは進行前に治療する時代に
Q:
主治医の鈴木先生から付け加えることがあればご紹介ください。
鈴木先生:
初めて秋吉さんを診療した時の状況は、治験参加の基準をしっかり満たしていました。何もしないでいたほうが感染症を起こしやすいということで、治験に入っていただきました。
治験が終わって4年ほどになりますが、その後全く問題なく、仕事もこの病気で休んだことはないと聞いています。私としては秋吉さんがこの後何年、多発性骨髄腫に進展せずにいられるか、高い関心をもって注視しています。
病気になってから後手後手で攻めても難しく、予防できれば最善ですし、進展遅延はその次に大事だと思います。秋吉さんを見ていて、これからは皆さんが進展する前に治療する時代になってきたと感じています。
本記事で紹介している治療の経過や副作用の感じ方には個人差があります。実際の治療方針については、必ず主治医とよくご相談ください。
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