●弁護士「法的な考えだけでは割り切れない問題」
飲食店を経営し、飲食業界の問題にくわしい石崎冬貴弁護士は、次のように語る。
──価格を知らされないまま高額メニューをすすめられた場合、法的にどうなるのでしょうか。
少なくとも「コースとは別で有料で注文する」という認識があったのであれば、法律上は、価格が明示されていなくても、「時価」または「店が定める相当な価格」で注文したものと考えられます。
もちろん、ネタの時価や店での価格については、店と客との間で情報量の差があるため、店側には一定の説明義務が生じます。
ただ今回のケースでは、「値段表示のない寿司店」であり、一般的に高級食材として知られる「ウニ」だったことに加え、客側に価格を確認する機会自体はあったようです。
そのため、金額について明示的な説明がなかったとしても、客側に支払い義務が生じる可能性は高いでしょう。
ただ、これはあくまで法的な話です。
2万2000円のコースに対して、追加のウニ1貫が7000円という価格は、多くの客にとって想定を超えるものでしょう。
不親切な対応だと受け止められても、やむを得ない部分はあると思います。
●「高額な追加提案の際は価格を明示すべき」
──店側に必要な心構えはありますか。
こうしたトラブルを防ぐには、双方が相手の立場を理解するために、コミュニケーションを惜しまないことが大切です。
店側は、コース料理と比較して高額なオプションを提案する場合、客側の不信感を防ぐために、価格を明示すべきでしょう。
これは「野暮」ではありません。客に安心して食事を楽しんでもらうためのホスピタリティです。
実際、メニューのない寿司店でも、ドリンクメニューには価格が書かれていることが多いですよね。それを野暮だと感じる人は、あまりいないはずです。
店のスタイルもありますし、やはり具体的に数字を示すのに抵抗がある場合は、追加分だけのメニューを作るのも一つです。

