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認知症の4割はリスクを下げられる? 1万人を診た医師が語る、脳の未来を変える「4つの新習慣」

認知症の4割はリスクを下げられる? 1万人を診た医師が語る、脳の未来を変える「4つの新習慣」

認知症の4割はリスクを下げられる? 1万人を診た医師が語る、脳の未来を変える「4つの新習慣」

「最近、人の名前がとっさに出てこない」「何度も同じことを聞いてしまう」。自分自身や家族の物忘れに対して、言いようのない不安を感じている方は少なくありません。「もう年だから仕方ない」「きっとだんだん悪くなるんだろうな」と、未来を諦めてしまっていませんか。
これまで延べ1万人以上の患者さんを診てきた舛森(ますもり)先生は、「今日からのほんの少しの習慣で、その流れは大きく変わる可能性がある」と語ります。世界的な医学雑誌『Lancet』でも、認知症の約4割は修正可能なリスク因子によって説明できると言及されているのです。
今回は、舛森先生が出会った4人の患者さんの「希望の物語」を通じて、薬だけに頼らず自分らしさを取り戻すための「4つのヒント」を詳しく聞きました。

※本記事は、2023年4月に『YouTube医療大学』チャンネルで配信された動画内容に基づき、動画配信者である舛森医師の監修を経て構成されています。

舛森 悠

監修医師:
舛森 悠(YouTube医療大学)

2019年旭川医科大学卒業後、札幌にて初期研修をおこない、函館稜北病院総合診療科へ。北海道内の3次救急を担う救命救急センターなどを経て、現在は千葉大学大学院 医学薬学府 先進予防医学共同専攻 博士課程にて研究に従事。並行して北海道での地域医療に貢献し、登録者86万人を誇る「YouTube医療大学」を運営。一般社団法人とまりぎケア代表理事、総合診療専門医、新家庭医療専門医、認知症予防専門医、医師会認定産業医。

≫1万人を診た医師が語る|認知症は『脳の病気』ではありません。|意外な落とし穴とは?

エピソード①脳のライフラインを整える:脳トレよりも大切な「朝の散歩」

エピソード①脳のライフラインを整える:脳トレよりも大切な「朝の散歩」

編集部

物忘れを自覚すると、多くの方は「自分は認知症なのではないか」と強い恐怖を感じてしまいますよね。

舛森先生

そうですね。私がかつて診察した70代の、Mさんもその一人でした。元校長先生で背筋の伸びた紳士的な人でしたが、ある日「可愛がっている孫の名前がとっさに出てこなくなった。自分の脳が自分でなくなっていくようで怖い」と、ひどく落胆して受診されました。

編集部

子どもが大好きだったMさんにとって、名前が出てこないことは耐えがたい屈辱だったのでしょうね。先生はどのようなアドバイスをされたのですか?

舛森先生

詳しく話を伺うと、膝の違和感を覚えてから半年ほど歩く量が減り、それに伴って不眠や体調不良も続いていたことが分かりました。そこで私は、「名前が出てこないのは脳が壊れたサインではなく、脳がエネルギー不足になり、活性化されていないだけかもしれません」と伝えたのです。

編集部

脳がエネルギー不足、ですか? 具体的にどういうことでしょうか。

舛森先生

脳は体内の情報を処理する「司令塔」で、そこに栄養や酸素を供給する「ライフライン」は血管です。ポンプのように血液を送る心臓や、「第二の心臓」と言われる足の筋力は、脳にとって極めて重要なインフラです。歩かなくなると筋力が衰え、血流が滞り、脳がぼんやりとしたエネルギー不足の状態に陥ってしまいます。

編集部

実際に、運動と認知症のリスクには関係があるのでしょうか。

舛森先生

米国の大規模な研究(Larson et al., 2006)では、週に3回以上運動習慣がある人は、そうでない人に比べて認知症の発症リスクが38%低下したというデータがあります。私はMさんに、一生懸命取り組んでいた「脳トレ」を一旦お休みして、1日10〜15分でもいいので、朝の光を浴びながら散歩することを提案しました。

編集部

その後、Mさんの様子はどう変わりましたか。

舛森先生

1ヶ月後、初診時に比べて随分と晴れやかな表情でいらっしゃいました。「夜ぐっすり眠れるようになり、頭にかかっていた霧が晴れたようです。今は孫と漢字しりとりを楽しんでいます」と、声のハリも肌の色艶も明白に改善されていました。記憶を守るための第一歩は、机上ではなく、実は玄関の外にあるのかもしれません。

脳の未来を変える新習慣1

「朝日を浴びて、5分間でもいいから朝散歩をする」

エピソード②「会話」は心のジム:声を出すことで記憶を呼び戻す

エピソード②「会話」は心のジム:声を出すことで記憶を呼び戻す

編集部

次は、10年前にパートナーを亡くし、一人暮らしをしているTさんのエピソードです。「自分の名前が書けなくなってしまった」という衝撃的なお悩みだったそうですね。

舛森先生

はい。Tさんは「私、誰かと話したのいつかしら」と消え入るような声でした。一日中テレビの音だけが話し相手という孤立した環境が、脳に悲鳴をあげさせていたのです。私はTさんに、「会話は脳にとっての『心のジム』ですよ」と話しました。

編集部

「心のジム」とは素敵な表現ですね。どのような仕組みで脳を鍛えるのでしょうか。

舛森先生

相手の話を聞き、考え、言葉を整理し、感情を乗せて話す。この一連の作業は、脳のさまざまな部位を一度に鍛える高度なトレーニングになります。米国の研究でも、社会的な活動に頻繁に参加する人は、認知症リスクが大幅に低下することが示唆されています。会話こそが、脳の老化を防ぐための強力な防波堤になるんです。

編集部

とはいえ、一人暮らしで急に誰かと話すのは難しい場合もありますよね。

舛森先生

ですので、まずは「毎朝5分間、新聞や好きな本を自分の声で読み上げる」ことから始めてもらいました。自分の声を自分の耳に聞かせてあげるだけで、2カ月後、彼女は大きな声で「声を出していたら、昔の友達に電話をしたくなって今度お茶をすることになったの」と報告してくれました。驚くことに、その頃には自分の名前も漢字ですらすら書けるようになっていたんです。

編集部

声を出すことが、閉ざされた記憶の扉を開ける「魔法の鍵」になったのですね。

舛森先生

まさにそうです。もし最近、楽しい会話をいつどのくらいしたか思い出せないなら、それは脳がトレーニングを求めているサインかもしれません。コンビニの会計の際に「ありがとう」と一言添えるだけでも、立派なトレーニングになります。

脳の未来を変える新習慣2

「誰かに「ありがとう」と声を出して言う(音読も可)」

配信元: Medical DOC

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