育休中の佳奈子(30)は、定期となる義実家での集まりに来ていた。そのなかではりきって動き回る義弟嫁・彩音。佳奈子にとって彼女は、昔から「いい嫁アピール」が激しい苦手な人物だった。
義弟嫁のしんどい「いい嫁アピール」
彩音「では私が分けるので、皆さんはお食事を進めてくださいね!」
彩音(あやね)がカチカチとトングを鳴らし、サラダを取り分け始めた。子どもに離乳食を与えながら私は「ありがとう」と答える。しかし彼女から返事はなく、ささっと鮮やかな手さばきでサラダは配られた。
義母「ありがとう、彩音さん」
彩音「いえいえ!」
義母のお礼には満足そうに答える彩音。反応が違うな…と、やや苦々しく思う。ふと、ドレッシングがないことに気づいた。
佳奈子「ドレッシング、冷蔵庫から出してきますね」
義母「あら、気づかなかったわ。ごめんなさいね、佳奈子さん」
立って冷蔵庫に向かう際、彩音と視線が合う。ぎらりと睨んでいるように見えるのは気のせい…ではない。私が先にドレッシングなしに気づいたことに、彼女は苛立ったのだ。
佳奈子(彩音さんの「いい嫁アピール」…しんどいなあ)
心の中でそっとぼやいた。
「私が選んだんですよ!」主張が強い義弟嫁
私の名前は伊藤加奈子(かなこ)、30歳。家族は2つ年上の夫・徹(とおる)と1歳の息子・サクヤ。今は育休中だ。義実家の近くに住んでおり、優しい義母とも仲良くさせてもらっていた。
10年前に義父が他界し、ずっと1人暮らしをしている彼女は、よく大きな義実家に私たち夫婦や義弟夫婦を定期的に招き食事会を開いてくれる。そのなかで会う義弟・雅人(まさと)の妻…つまり義弟嫁の彩音が、私は苦手だった。なぜかはわからないが、彼女はやたらと義実家で動き回り、「自分」をアピールする。
彩音「今日の手土産、お渡ししますね」
と、雅人からではなく自ら義母に渡したり。
彩音「母の日のプレゼントはどうでした?あれ、私が選んだんですよ」
と、自己主張したり。
いつもわざわざ私の前でするのも、嫌だった。「気が利くいい人だな」と思っていたのが徐々に鼻につき始めたのは、その行動が「パフォーマンス」に感じるようになったから。「自分はいい嫁」「気の回る女性」というアピールが透けて見える。

