年の近い兄弟がいると、どうしても比べられてしまう場面はありますよね。子どもの頃の何気ない親の一言や扱いの違いが、大人になっても心のどこかに残り続けているという人もいるのではないでしょうか。今回は、筆者の友人の体験談をお届けします。
報われない努力
昔から母は長女の私に厳しく、2歳下の弟には甘い人でした。
自分はダメなのに、弟は許されている……そんなこともたくさんあり、子ども心に何度も傷つきました。
大人になってもその構図は変わりません。
私は母の日や誕生日に、奮発して旅行券やブランド品を贈り続けてきましたが、弟は当日に電話一本入れるだけ。
それなのに、母が嬉しそうに語るのは「あの子は毎年電話をくれて、優しいわね」と弟のことばかり。
私の努力や思いは当たり前のように流され、母の視線はいつも私の頭越しに、弟を見ているようでした。
心が冷め切ってしまった瞬間
半年ほど前、母の誕生日に、奮発して名入りの高級万年筆を贈りました。
いつか母がテレビで見て「こんな万年筆で手紙が書けたら素敵ねぇ」と漏らしていた憧れの品でした。
しかし、中身をちらりと見ただけの母は、一応「ありがとうね」と言ってはくれたものの、すぐに机の端に追いやり「あの子、連絡ないけど元気にしてるのかしら。あの子のセンスで選んだネクタイとか、一度見てみたいわね」と溜め息をついたのです。
その瞬間、頭の中で何かがプツンと切れる音がしました。
プレゼントを用意して届けた私よりも、電話すらかけてこない弟のほうが、母の心を占めているんだ……。
「喜んでくれるかな」とドキドキしながら選んだ万年筆が、急に無価値な物に見えてきました。
同時に、私の心からは一気に熱が引いていくのを感じたのです。

