安静だけでいい? 回復へのアプローチ
編集部
「オスグッド病」と診断されたら、やはり安静が第一なのでしょうか?
間瀬先生
急性期の強い痛みや腫れ、熱感がある時期は安静が大切です。しかし、痛みが落ち着くまで完全に練習をストップし続けることだけが最善とは限りません。適切な評価の下、負荷を調整しながら段階的に動いていく方が、回復がスムーズかつ競技復帰後のパフォーマンスも保ちやすいことが多いですね。
編集部
適切に動かしていくことが大事なのですね。
間瀬先生
はい。ただし、自己流で続けると、かえって負担を増やしてしまうこともあります。可能ならば、スポーツリハビリテーションや競技特性に詳しい医師や理学療法士の指導の下で、体の使い方を見直してみてください。痛みのある場所だけを見るのではなく、股関節や体幹の使い方、着地や走り方まで含めて調整しないと、同じストレスが繰り返されやすくなってしまいます。
編集部
回復や再発予防のために、ほかにできることはありますか?
間瀬先生
まず大切なのは、練習量を一時的に調整し、痛みが強くなる動作を減らすことです。その上で、大腿四頭筋だけでなく、ハムストリングスやふくらはぎ、股関節周囲の柔軟性を調整し、体幹や股関節の筋機能も改善していきましょう。必要に応じてアイシングやサポーターを併用するのもいいと思います。再発予防には、「痛みが引いたから終わり」ではなく、負担のかかりにくい体の使い方まで整えることが大切なのです。
編集部
最後に、読者へのメッセージをお願いします。
間瀬先生
オスグッド病は多くの場合、骨の成長が落ち着くとともに症状も軽くなっていきます。骨格が急激に成長する数年は、痛みのために思い切りスポーツをできなくなることがあり、成長期の選手にとっては決して軽く見てよいものではありません。また、成長期のスポーツ選手全てに起こるわけではなく、過度の反復練習、柔軟性の不足、体の使い方の癖など、いくつかの要因が重なって起こることが多い障害です。そのためオスグッド病の治療をする際も、単に休むだけではなく、原因に対するコンディショニングの視点がとても重要です。さらに、ごく一部のケースとして、成長期が終わった後も脛骨粗面の骨片が残り、痛みが続くこともあります。痛みが長引く場合は、保存的治療(手術以外の治療)で改善しなければ、骨片を取り除く手術が検討されます。お子さんが「膝の下が痛い」と訴えたときは成長痛と決めつけず、長くスポーツを続けるためにも早めに適切な評価を受けることが大切です。
編集部まとめ
子どもの膝の痛みは「成長痛」だけとは限りません。今回の「オスグッド病」の場合は、運動時の痛みや膝下の腫れなどの初期サインに気付くことが重要です。早めに適切な評価を受けることで、早期回復や再発予防が期待できます。気になる症状があれば、整形外科視点での診察を検討してみてください。

