育休中で1歳のサクヤを育てている佳奈子。息子を出産した際に起きた「いい嫁アピール」をする義弟嫁・彩音の過去の行動を思い出します。
出産祝いを持ってきたときのこと
そういえば1年前、こんなことがあった。サクヤを出産したばかりのころ、義弟夫婦がお祝いに我が家へ来てくれた。
徹と一緒に出迎え、向こうも「出産おめでとうございます」の言葉をくれる。しかし、義実家では必ず真っ先に手土産を渡す彩音が、家に入ってもとくに行動を起こさなかった。紙袋を持っているのが見え、存在が気になったが、こちらから声をかけられるはずもない。
佳奈子(もしかして渡すのを忘れているのかな?)
いつも先回りして準備する彩音にしては、珍しい。そのころはまだ彼女のアピールを「気が利く行動」と見なしていた私は、のんきにそう考えていた。
彩音「あの、お義母さんが来ていると聞いたのですが」
徹「ああ、ちょっと遅れてるらしいんだ。もうすぐ着くってさ」
彩音が徹に義母の不在に関して聞いてきたときも、とくに気にしなかった。
義母がきてから様子を変える義弟嫁
義弟夫婦が着いてから一時間後、ようやく義母が来訪した。その気配を察し、ぱっと彩音が立って、まるで我が家かのように出迎える。
彩音「こんにちはお義母さん。ちょうど、出産祝いを渡すところだったんですよ」
義母「あら、そうなの」
玄関先から小さく会話が聞こえ「ん?」と首をかしげた。そんな流れだったろうか…。みんなで義母を出迎えると、あんなに口数が少なかった彩音が、置いていた紙袋を手に取った。
彩音「ご出産おめでとうございます!これ、雅人さんと一緒に一生懸命選んだんですよ」
徹「ありがとう」
佳奈子「あ、ありがとうございます」
突然始まった出産祝いのプレゼント渡しに、違和感を覚える。今までまったくそんな雰囲気を出していなかったのに、義母がきたとたん始めるとは。
佳奈子(おめでたいことだから、お義母さんも含めて祝いたかったのかな…?)
すぐにそう思い直し、笑顔で受け取る。

