血液検査でビタミン不足はわかる?メディカルドック監修医が、血液検査で調べられるビタミンの項目や、検査を受けられる場所、費用の目安、不足から疑われる病気について解説します。

監修医師:
木村 香菜(医師)
名古屋大学医学部卒業。初期臨床研修修了後、大学病院や、がんセンターなどで放射線科一般・治療分野で勤務。その後、行政機関で、感染症対策等主査としても勤務。その際には、新型コロナウイルス感染症にも対応。現在は、主に健診クリニックで、人間ドックや健康診断の診察や説明、生活習慣指導を担当している。また放射線治療医として、がん治療にも携わっている。放射線治療専門医、日本医師会認定産業医。
血液検査でビタミン不足はわかるのか?
血液検査では、体内のビタミンの状態をある程度把握することができます。ただし、すべてのビタミンが日常的に測定されるわけではなく、目的や症状に応じて選択される点に注意が必要です。ここでは、血液検査でわかる内容や検査の考え方についてまとめます。
ビタミンとは?
ビタミンは、体の機能を維持するために必要な微量栄養素であり、エネルギー産生や神経機能、骨代謝など幅広い働きを担います。体内で十分に合成できないものが多く、主に食事から摂取されます。不足すると、貧血や骨の異常、神経症状など、さまざまな不調につながる可能性があります。
血液検査でビタミンを調べる目的
血液検査でビタミンを測定する主な目的は、不足や過剰の有無を確認し、症状の原因を探ることです。例えば、貧血やしびれがある場合にビタミンB12や葉酸を測定することで、原因の特定につながることがあります。また、原発性骨粗鬆症の患者さんに対し、薬物治療の方針を選ぶために行う場合もあります。そのほか、栄養状態の評価や治療効果の確認としても活用されます。
血液検査はどこで受けられる?
血液検査は、内科やかかりつけ医、健康診断施設などで受けることができます。一般的な健康診断ではビタミン項目が含まれていないことも多く、必要に応じて医師が追加で検査を指示します。症状がある場合は保険診療として行われることがあります。
採血でわかるビタミン検査はどこで受けられる?
ビタミンの血中濃度を測定する検査は、主に医療機関で行われます。内科や血液内科などで、症状や既往歴に応じて必要な項目を選択します。検査結果は数日程度で判明することが多く、診断や治療方針の決定に役立てられます。また、近年では「ビタミン 検査キット」として、自宅で少量の血液を採取し郵送することで検査を受けられるサービスもあります。医療機関に行かずに手軽に栄養状態を確認できる点が特徴ですが、測定できる項目や基準値、結果の解釈はサービスごとに異なるため注意が必要です。とくに異常値が疑われる場合や症状がある場合には、自己判断に頼らず医療機関での検査や相談を行うことが大切です。
ビタミン不足を疑う症状はある?
ビタミン不足では、疲れやすさや口内炎、しびれ、骨の痛みなど多様な症状がみられることがあります。ただし症状は非特異的なことが多く、他の疾患と区別が難しい場合もあります。ビタミンの種類によって現れやすい症状には違いがあり、以下のような特徴が知られています。
ビタミンD:骨の痛みや筋力低下、骨折リスクの上昇、感染症にかかりやすくなる
ビタミンB12・葉酸:貧血、しびれ、歩行の不安定さなどの神経症状
ビタミンB1:倦怠感や食欲低下、重症では神経障害(脚気など)
ビタミンB2・B6:口内炎、口角炎、皮膚炎などの粘膜症状
ビタミンC:歯茎からの出血、皮下出血
また、ビタミンは種類によって体内での吸収や蓄積のされ方が異なります。脂溶性ビタミンは体内に蓄えられやすい一方、水溶性ビタミンは不足が生じやすいとされています。こうした薬物動態の違いも症状の現れ方に影響します。そのため、症状のみで判断するのではなく、血液検査や背景疾患を踏まえて総合的に評価することが重要です。
血液検査で調べられるビタミンの主な項目
血液検査では、目的に応じていくつかのビタミン項目が測定されます。代表的なものを理解しておくと、検査結果の意味を把握しやすくなります。
骨と免疫に関わるビタミンD
ビタミンDは、骨の形成やカルシウム代謝に関与する栄養素です。血中の25-ヒドロキシビタミンDを測定することで評価します。不足すると骨粗鬆症や骨折リスクの上昇につながる可能性があります。骨代謝異常が疑われる場合に検査が行われます。
貧血や神経に関わるビタミンB12と葉酸
ビタミンB12と葉酸は、赤血球の形成や神経機能に関わります。これらが不足すると、巨赤芽球性貧血や神経障害が生じることがあります。血液検査で濃度を確認することで、原因の特定や治療方針の決定に役立ちます。
代謝に関わるビタミンB1・B2・B6
ビタミンB群はエネルギー代謝に関与し、全身の機能維持に重要な役割を果たします。不足すると倦怠感や神経症状が現れることがあります。これらは通常の健康診断では測定されることは少なく、必要に応じて追加で検査されます。
ビタミン不足の指標となるホモシステイン
ホモシステインは、体の中でたんぱく質の一種(メチオニン)を分解する過程で作られる物質です。ホモシステインの値は、加齢でも高まることがあります。加えて、葉酸やビタミンB6、ビタミンB12といった栄養素が不足した場合や、体内でこれらをうまく利用できない場合にも高くなると考えられています。

