●無期はありうる
今回のケースでは、少年法の適用がありますが、通常の刑事裁判の手続きにより処罰される可能性はあります。
「少年」が刑事裁判にかけられるには、まず家庭裁判所から検察官への「逆送」という手続きが必要です。
そして、少年法20条2項は、故意の犯罪行為により被害者を死亡させた罪で、犯行時16歳以上の少年については、原則として逆送しなければならないと定めています。
強盗殺人罪(刑法240条後段)の法定刑は「死刑または無期拘禁刑」であり、本件はこれに該当するため、家庭裁判所から逆送され、通常の刑事裁判の手続きによることになるでしょう。
逆送されれば、成人と同様に刑事裁判(裁判員裁判)を受けることになります。
なお、先に書いたとおり、16歳の少年には死刑を科すことはできませんから、法定刑の上限は無期拘禁刑となります。
●実際はどうなる?有期拘禁刑や不定期刑の可能性も
ただし、無期拘禁刑になるとは限りません。少年法51条2項は、無期拘禁刑が相当の場合でも、10年以上20年以下の有期拘禁刑を科すことができると定めています。
この規定は「できる」となっているため、無期拘禁刑とすることもできます。
また少年法52条により、「拘禁刑○年以上○年以下」という形の不定期刑を言い渡すこともできます(長期は15年、短期は10年が上限)。
過去の裁判例を見ると、以下のようなものがあります。
1)16歳で無期相当だが51条2項を適用して懲役(現在の拘禁刑)10年とした例(高松高判平成16年(2004年)6月17日)
犯行時16歳の被告人が、共犯の中学生2名と万引きの発覚後の逮捕を免れるため軽四を加速させ、車にしがみついた被害者の頭部を電柱との間に挟んで即死させた事案です。
2)少年による住居侵入・強盗殺人で無期懲役(現在の無期拘禁刑)となった例(那覇地裁平成28年(2016年)1月22日)
犯行時18歳だった少年が、金品強奪目的で住居侵入、家人に発見されるや殺意をもって包丁で背部を突き刺すなどして殺害し、現金等を強奪した事案です。
3)少年で不定期刑とした例(横浜地判平成16年(2004年)1月22日)
犯行時17歳の少年A・Bによる金属バットでの強盗殺人未遂・強盗傷人について、主犯格のAには定期刑(懲役11年)、Bに対しては不定期刑(懲役5年以上10年以下)の判決が下されました。
量刑は、共犯の中での役割の重要性や、計画性、殺害行為の態様・悪質性、年齢、反省・更生の可能性など、さまざまな事情を総合して判断されます。

