動きださなかった余興リーダーの代わりに、中心となって練習を進めた亜紀。しかしメンバーの1人、由梨は余興に対するモチベーションが低い様子。ついには「余興メンバーから外れたい」と彼女から連絡が入りました。
続くトラブルに心が折れる
由梨『余興メンバーから私は外れる。今回はメッセージ動画の参加にさせて』
亜紀「そんな…」
由梨からのメッセージを見て愕然とする。彼女が余興に対してモチベーションが低いのは感じていた。でも、叩き台となるムービーデータを用意すると自ら言ったし、最初の練習にも来てくれた。だから参加する意志はあると、思っていたのに。
しかし、由梨はデータを紛失した後のフォローもせず、合わせたはずの2回目の練習も行けないので余興自体をやめるといいだした。無責任な彼女の言動に苛立ちがたまる。
亜紀「私だって忙しい中、時間を作ってるのに…」
子育てや仕事の合間を縫って、やれるだけのことをしている。いくら彼女が私より多い人数の子育てをしていようとも、言い訳にはならない。だが、他人の生活の実態はわかりづらい。本当に日々苦労しているかもしれないと考えると、彼女に苛立つ自分にも腹が立った。
亜紀「何だか…疲れちゃった」
ぽつりと呟くと、ずどんと気持ちが重くなった。
新婦のまどかからメッセージが
由梨不参加の連絡を受け、葵も美香子も動揺した。3人でもアカペラができないわけではないが、また違った練習をしなくてはならない。次の練習をみっちりせねばと、気がつまる。
そんな中、今回の式の主役、まどかから余興の確認連絡が私に入った。
まどか『余興のほう、どうかな?データは今週末までにくださいって、式場から言われてて』
亜紀『大丈夫。私から式場に連絡しておくね』
なかなか進んでいないうえ、心の中では負担に思っていることなど知られたくない。何も知らないまどかが、無邪気なメッセージをくれた。
まどか『ありがとう。私も余興を受ける番になって、すごく楽しみ!みんなの歌声、楽しみにしてるね』
亜紀「まどか…」
そういえば、私も自分の結婚式でみんなに余興をしてもらったのだ。最初の結婚は由梨で、それから始まったアカペラサークルメンバーによる余興。自分もしてもらったのに、まどかの時だけ手を抜こうだなんて失礼だ。
亜紀『うん、楽しみにしてて!』
大切な友人のために、いい余興にしたい。素直な気持ちで、返信をした。

