当時の私は35歳。次に付き合うなら、お互いを尊重し合える穏やかな人がいいと思っていました。そんなときに出会ったのが、同年代の彼。口数は少ないものの、物腰がやわらかく、落ち着いた雰囲気の人でした。「この人となら安心して付き合えそう」。そう感じていると……!?
初めは“沈黙すら心地よい”と思っていた
付き合いたてのころの彼は、とにかく静かな人でした。
デート中も必要以上に話すことはなく、無言で並んで歩くこともしばしば。でも不思議と嫌な感じはなく、私はむしろ「居心地がいい」と感じていました。
「言葉が少なくても通じ合える関係って素敵かも♡」
そう思っていたのですが、付き合って数カ月が過ぎたころから、少しずつ違和感を覚えるようになったのです。
“私に興味がないのかも”と思い始めて…
たとえば、私が仕事の話をしても、「へぇ」「そうなんだ」で会話が終了。「最近どう?」と聞いても、「別に普通」と短い返事だけ。こちらから話題を振らないと、会話が広がることはありませんでした。
最初は、「口下手な人なんだろうな」と思っていました。でもある日、彼と共通の友人たちを交えて食事をしたとき、私は驚いてしまったのです。
その日の彼は、私と2人でいるときとはまるで別人でした。自分から話題を振り、友人たちとテンポよく会話を続け、楽しそうに笑っていたのです。
私は思わず、「こんなにしゃべる人だったんだ……」と戸惑いました。
もちろん、相手によってテンションが変わるのは自然なことです。でも私の中では、“彼は無口な人”という認識だったため、どうしても引っかかってしまいました。
私にはそこまで興味がないだけなのかもしれない――。そんな不安が、少しずつ心の中に積もっていったのです。

