テキサス大学ヒューストン健康科学センターの研究員らは、工業的に多くの加工が加えられている「超加工食品」を多く摂取する人ほど、心筋梗塞や脳梗塞などの動脈硬化性心血管疾患(ASCVD)のリスクが高まると、約6800人を長期間追跡した研究から明らかにしたと報告しました。内容は「JACC Advances」に3月17日掲載されました。詳細を井筒先生に伺いました。

監修医師:
井筒 琢磨(医師)
2014年 宮城県仙台市立病院 医局
2016年 宮城県仙台市立病院 循環器内科
2019年 社会福祉法人仁生社江戸川病院 糖尿病・代謝・腎臓内科
所属学会:日本内科学会、日本糖尿病学会、日本循環器学会、日本不整脈心電図学会、日本心血管インターベンション治療学会、日本心エコー学会
研究グループが発表した内容とは?
編集部
テキサス大学ヒューストン健康科学センターの研究員らが発表した内容を教えてください。
井筒先生
米国の研究により、超加工食品(例:個別包装の菓子、砂糖入りシリアル、そのまままたは温めるだけのレトルト食品、加工肉)を多く摂取する人ほど動脈硬化性心血管疾患(ASCVD:動脈硬化によって起こる病気)のリスクが高まる可能性が示されました。研究では、45~84歳の約6800人を長期間追跡し、食事内容と健康状態の関係を調査しました。その結果、超加工食品を1日に1食分多く摂取するごとに、ASCVDの発症リスクは約5%上昇することが確認されました。また、超加工食品を最も多く食べていたグループでは、最も少ないグループと比べてリスクが約67%高いことも分かりました。特にアフリカ系アメリカ人では関連性がより強くみられ、人種や生活背景による影響の可能性も示唆されています。
研究グループは、超加工食品の摂取を減らすことが、心血管疾患予防につながる可能性があるとしています。
研究テーマになった動脈硬化性心血管疾患とは?
編集部
今回の研究テーマに関連する動脈硬化性心血管疾患について教えてください。
井筒先生
動脈硬化性心血管疾患とは、血管の内側にコレステロールなどが蓄積し、血管が狭くなったり詰まることで起こる病気の総称です。代表的なものには、狭心症や心筋梗塞、脳梗塞、末梢動脈疾患、大動脈瘤などがあります。動脈硬化は、脂質異常症や高血圧、糖尿病などの生活習慣病や、喫煙、肥満などの影響によって進行すると考えられています。症状は胸の痛み、手足の動かしにくさ、しびれ、歩行時の痛みなどさまざまで、重症化すると命に関わることもあります。日頃からバランスのよい食事や運動、禁煙を意識し、定期的に健診を受けることで動脈硬化の予防・早期発見につなげていきましょう。

