あの日、自宅でぼんやりとローカルニュースを見ていたときのことは、今でも鮮明に覚えています。明日の天気でも確認しようかとチャンネルを合わせただけだったのに、アナウンサーの言葉が、私の心を凍りつかせました。
聞き覚えのある名前が…
テレビから流れてきたニュースの内容は、「……粉飾決算の疑いで」「……A会社社長」「……逮捕」というもの。耳にした社名は、なんと数年前に私が勤めていた会社でした。
「え……」と思わず声が漏れました。血の気が引くような感覚です。まるで現実のことではないように感じました。アナウンサーは淡々と原稿を読み上げ、容疑者の名前を告げていきます。その中には、副社長の名前、そして会計を担当していた、事務のBさんの名前もありました。「おい、おい、おい……」。同時に、Bさんの顔が脳裏に浮かびました。その後の天気予報はまったく耳に入りませんでした。
あのまま働き続けていたら
あの会社で一緒に働いていた人たちの顔が、走馬灯のように駆け巡ります。あのときあんなに忙しかったのは、景気が良かったからではなかったのか……。
後から聞いた話では、経営状態はずっと悪かったらしいのです。あのまま働き続けていたら、私もどうなっていたか……。想像するだけで恐ろしくなります。

