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朝ドラ『風、薫る』で存在感を放つ“56歳芸人”の凄みとは。キュートなエプロン姿、涙もろさが心に沁みる

朝ドラ『風、薫る』で存在感を放つ“56歳芸人”の凄みとは。キュートなエプロン姿、涙もろさが心に沁みる

俳優をやるときの原田泰造は、清々しいまでに演技に徹している。お笑いトリオ「ネプチューン」のメンバーとして、コントなどで培ってきた笑いの技術が、確かに演技においても流用されているところはある。

 『連続テレビ小説 風、薫る Part2』(NHK出版) でも、見上愛と上坂樹里W主演による連続テレビ小説『風、薫る』(NHK)で、牧師役を演じる原田からは、力強い演技の骨格が垣間見えてくる。そして俳優としてまっさらな存在感がある。

 彼は決して“芸人俳優”ではない。純粋に俳優なのだ。“イケメン研究家”加賀谷健が解説する。

原田泰造が造形する牧師役

 エプロン姿の牧師が炊き出しの準備をしている。牧師の平服であるスーツの上から、裾にふりふりのついた白いエプロンをかぶり、何だか可愛らしい。その牧師役を原田泰造が演じるとこれがなおさらキュートに映る。

 連続テレビ小説『風、薫る』第2週第6回、カメラは、腰かけて鍋で煮込み中の吉江善作(原田泰造)を(ほぼ)真横から捉える。膝元を覆うようにかかるエプロンのふりふりがやっぱり可愛らしい。でも場面は決して楽しい雰囲気ではない。

 吉江は具材をかき混ぜながら、鼻をすすり、泣いていた。孤独な身の上の主人公・大家直美(上坂樹里)が勤務先のマッチ工場を理不尽な理由で辞めさせられたからだ。

 気丈に振る舞う直美を見て、吉江は目をこすり、「てへぇっ」と息をもらす。キュートなエプロンが不思議とマッチする、この涙もろい役柄……。原田泰造が造形するやわらかな牧師役がどうも心に沁みる。

涙もろいのに湿っぽくならない

 花王リリースより 初登場は第1週第3回。ここでも彼は腰かけて、神に祈りを捧げていた。その姿もまたカメラは真横から捉えていた。真横というカメラポジションによって、彼の祈りの姿勢は際立ち、敬虔な精神性が視聴者の心にもきちんと伝道されるかのようだ。

 この初登場場面で、吉江は直美に教会の伝道者にならないかと誘う。伝道者になれば給料がもらえる。でも直美は自分はなれないと言う。その理由をとうとうと語る直美の話を聞きながら、吉江は涙ぐむ。

「泣いてませんよ」と声を震わせて否定するやり取りはどこかコミカルで、吉江は明らかに涙もろい人物のに場面はなぜか湿っぽくならない。

 第6回ラストに、職を探すが見つからず、途方に暮れた直美が憤慨する場面がある。怒りを露にする彼女はきまって英語を話す。駆け寄る吉江が「ジャパニーズ、プリーズ」と言っても英語で話し続ける。

 すると再度「ジャパニーズ……」と言いかけた吉江が「じゃなくても何となくわかりました」と続けるのだが、こうしたコミカルな掛け合いのテンポ感はコントを見ているようでもある。



配信元: 女子SPA!

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