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朝ドラ『風、薫る』で存在感を放つ“56歳芸人”の凄みとは。キュートなエプロン姿、涙もろさが心に沁みる

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“芸人俳優”の演技はそれぞれの資質によるものでしかない

 芸人が俳優をやるとき、演技のテンポ感が評価されることが多い。

 確かに漫才でテンポよく人を笑わせる芸人は、演技でもその特性をいかすことができる。さらにコントを得意とする芸人なら、自らコントの台本を書く脚本力や演出力も大きな武器になる。

 原田泰造に限らず、秋山竜次、福田麻貴、丸山礼などなど、近年、俳優業に進出する、いわゆる“芸人俳優”たちが映画やテレビドラマの世界でも重宝される傾向は至極当然のことかもしれない。

 一方で、芸人は演技がうまいという通念が独り歩きしている気もする。芸人だからといってもれなく演技がうまいわけではないからだ。

 芸人俳優の先駆的存在として、北野武の名前がよく挙がるが、彼はあくまで例外的な存在だ。

 大島渚監督作『戦場のメリークリスマス』(1983年)以降(あるいは1989年の監督処女作『その男、凶暴につき』の間に)突然変異したような、別格の存在感がある。さらに“世界の北野”と称賛されるように、蓮實重彦などの巨人的評論家の後押しを受けながら、(その監督作と演技を)国際映画祭が育んだ才能だったことは見落としてはいけない。

 つまり、芸人だから演技がうまいわけではない。演技に挑戦してみた結果、俳優としても資質があっただけであり、その才能はそれぞれの資質によるものでしかない。

 その意味で、『風、薫る』で牧師を演じる原田泰造には、俳優としてまっさらな存在感がある。それが牧師役の役柄よく溶け込んでいる。

 彼が芸人かどうかにかかわらず、ひとりの俳優としてただ純粋に演技に徹すること。それこそ、彼の演技に対する直向きで、敬虔(けいけん)な態度なのだと思う。

<文/加賀谷健>

【加賀谷健】
イケメン研究家 / (株)KKミュージック取締役

“イケメン研究家”として大学時代からイケメン俳優に関するコラムを多くの媒体で執筆。アーティストマネジメント、ダイナマイトボートレース等のCM作品やコンサートでのクラシック音楽監修、大手ディベロッパーの映像キャスティング・演出、アジア映画宣伝プロデュースを手掛ける。他に、LDHアーティストのオフィシャルレポート担当や特典映像の聞き手など。日本大学芸術学部映画学科監督コース卒業。

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配信元: 女子SPA!

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