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その便秘、『大腸がん』のサインかも? 医師が教える「いつもの便秘」との見分け方

その便秘、『大腸がん』のサインかも? 医師が教える「いつもの便秘」との見分け方

「最近、便が出にくい」「出し切れない感じがする」といった便秘症状を、「いつものこと」と放置していませんか。便秘の多くは生活習慣や腸の働きの乱れによって起こります。一方で、急に便秘が始まった、便が細くなった、血便を伴うといった変化がある場合は、大腸がんなどの重大な病気が隠れている可能性もあります。今回は、便秘と大腸がんの関係、受診すべきサイン、日常生活でできる対策について、池袋ふくろう消化器内科・内視鏡クリニック東京豊島院 院長の柏木宏幸先生に詳しく解説してもらいました。

※2026年4月取材。

柏木 宏幸

監修医師:
柏木 宏幸(池袋ふくろう消化器内科・内視鏡クリニック 東京豊島院)

2010年埼玉医科大学卒業後、沖縄にて初期臨床研修をおこない、東京女子医科大学病院消化器病センター内科へ入局。女子医科大学病院消化器内科助教となり複数の出向病院で勤務し、2023年4月に池袋ふくろう消化器内科・内視鏡クリニック開業。日本内科学会総合内科専門医、日本消化器病学会消化器病専門医、日本消化器内視鏡学会消化器内視鏡専門医、一般社団法人日本病院総合診療医学会認定病院総合診療医、難病指定医。

まず知っておきたい「よくある便秘」の正体

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編集部

便秘は多くの人に見られますが、医学的にはどのような状態を「便秘」と呼ぶのでしょうか?

柏木先生

最も多く使用される診断基準(Rome IV診断基準)では、以下6項目のうち2項目以上当てはまる場合に便秘と診断されます。

① 排便の頻度が週3回未満
② 排便時に強くいきむ必要がある
③ 硬い便またはウサギの糞のようなコロコロした便が出る
④ 排便後も出し切れた感じがしない(残便感)
⑤ 排便時に肛門や直腸に詰まったような閉塞感がある
⑥ 浣腸や指で補助しないと排便できない

また、これらの症状が3カ月以上続く場合には「慢性便秘症」と診断されます。毎日出なければ便秘というわけではなく、排便の質や感覚も重要な判断基準となります。

編集部

便秘はどのようなことが原因で起こるのでしょうか?

柏木先生

便秘のタイプは大きく「機能性便秘」と「器質性便秘」に分類され、どちらのタイプであるかによって原因も異なります。このほか、一時的なストレスや旅行・食事の変化によって起こる「一過性便秘」もありますが自然に改善することが多く、日常的に困ることが多いのは前述の2つのタイプです。
機能性便秘は最も多くみられるタイプで、食物繊維や水分不足、運動不足、生活リズムの乱れ、ストレス、排便を我慢する習慣などが主な原因です。
器質性便秘は大腸がんや腸閉塞などの腸の病気が直接の原因となるため、医師の診断が必要です。甲状腺機能低下症や糖尿病などの病気、鉄剤・抗うつ薬など特定の薬剤の副作用が原因になることもあります。ただの生活習慣の問題と決めつけず、背景にある原因を丁寧に探ることが適切な対処につながります。

編集部

便秘が長く続くと、体にはどのような影響が出るのでしょうか?

柏木先生

便秘が慢性的に続くと、腸内に老廃物が滞留して腸内環境が悪化し、悪玉菌が増加します。その結果、肌荒れ、腹部膨満感(ふくぶぼうまんかん:お腹が張った感覚)・食欲低下・倦怠感などの症状が表れることがあります。
最近では、腸内環境の悪化は生活習慣病、認知症、うつ病などとの関連も報告されています。また、強くいきむ習慣が痔核(いぼ痔)や裂肛(切れ痔)の悪化を招くこともあります。さらに、長期にわたる便秘は大腸がんや腸閉塞などの深刻な病気が背景に潜んでいるサインである場合があるため、2週間以上改善しない場合は医療機関への相談をお勧めします。

「いつもと違う」は要注意! 大腸がんを疑う“5つの便秘のサイン”

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編集部

どのような便秘の場合に、大腸がんなどの病気を疑ったほうがよいのでしょうか?

柏木先生

以下のような便秘には特に注意が必要です。

① これまでの排便パターンが明らかに変わった(急に便秘になった・回数が減ったなど)
② 便が急に細くなった
③ 便秘と下痢を交互に繰り返す
④ 血便や粘液便(白や透明なゼリー状の付着物)を伴う
⑤ 腹痛・腹部膨満感を伴う

なかでも、「いつもの便秘と何かが違う」という感覚は非常に重要なサインです。大腸がんは腸管を狭くすることで便秘を引き起こすことがあるため、こうした変化が2週間以上続く場合は、自己判断せずに消化器内科を受診してください。これまで便秘をしたことがなかったのに突然始まった、排便パターンの変化が2週間以上続くという変化を見逃さないために、便の状態を毎日確認する習慣づけが大腸がんの早期発見につながります。

編集部

便秘に加えて注意すべき症状はありますか?

柏木先生

便秘に加えて以下の症状が重なる場合は、大腸がんなど重篤な病気の可能性を考える必要があります。

① 意図しない体重減少
② 慢性貧血(健診異常、倦怠感・息切れ・顔色不良などの症状)
③ 排便後の残便感
④ 腹部にしこりのような感触がある
⑤ 原因不明の発熱

これらの症状が1つでも当てはまる場合は、市販の便秘薬で対処を続けず、速やかに消化器内科を受診し、大腸内視鏡検査などによる精査を受けることを強くお勧めします。

編集部

便の形や回数の変化はどの程度注意すべきサインなのでしょうか?

柏木先生

便の形状や回数の変化は、腸の状態を示す重要なサインです。便の形状を評価するブリストル便形状スケールでは、タイプ1〜2(硬くコロコロした便)が続く場合は便秘傾向を示します。特に注意が必要なのが、鉛筆状の細い便が続くケースで、この場合は直腸やS状結腸にがんができて腸が狭くなっている可能性もあります。

配信元: Medical DOC

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