妊娠中のタレント、松中みなみさんが「道ですれ違いざまに高齢男性からお腹を強めに殴られた」という内容をSNSに投稿した。
幸いケガなどはなかったようだが、「もし転倒していたら」「胎児に影響があったら」と不安を覚える人も多いだろう。
●“ぶつかりおじさん”を通り越した行為
松中さんの投稿内容が事実であれば、いわゆる“ぶつかりおじさん”を通り越した行為といえる。
偶然ぶつかったのではなく、故意に(わざと)相手の体を殴った場合、暴行罪にあたる可能性がある。この犯罪は、ケガがなくても成立しうる。
また、打撲や流産など、人の生理的機能に傷害を与えた場合には、傷害罪に発展する可能性もある。
ここでいう「故意」は、暴行行為そのものの認識があれば足り、かならずしも「ケガを負わせよう」とまで考えていた必要はないとされる。
●「わざとだったのか」は重要な争点
一方で、「偶然ぶつかっただけだった」という弁解が成立する場合は、過失の問題となる。
暴行罪や傷害罪は故意犯であり、単なる過失では原則として処罰されないため、「わざとだったのか」が重要な争点になる。
さらに、妊婦への加害について特別な犯罪類型があるわけではないものの、胎児への影響や危険性の高さなどから、量刑上、重く評価される可能性はある。

