脳腫瘍の種類と初期症状の違い
脳腫瘍はひとくくりに語られることが多いですが、その種類は多岐にわたり、発生する場所や性質によって初期症状も異なります。腫瘍の種類を知ることで、自分に当てはまる可能性のある症状を理解する助けになります。
良性腫瘍と悪性腫瘍の違いと症状の傾向
脳腫瘍は大きく「良性腫瘍」と「悪性腫瘍」に分けられます。良性腫瘍は周囲の組織に浸潤(しんじゅん)せず、比較的ゆっくり成長する傾向があります。ただし、脳腫瘍における「良性」は放置してよいという意味ではありません。頭蓋骨という限られた空間の中で腫瘍が大きくなると、正常な脳を圧迫してさまざまな症状を引き起こすため、適切な経過観察や治療が必要です。代表的な良性腫瘍には、髄膜腫(ずいまくしゅ)や聴神経鞘腫(ちょうしんけいしょうしゅ)などがあります。
良性腫瘍は時間をかけてゆっくり大きくなることが多く、初期には症状がほとんど現れない場合もあります。そのため、頭部MRIなどの検査で偶然発見されるケースも少なくありません。一方、悪性腫瘍は周囲の脳組織に入り込みながら増大しやすく、比較的短期間で症状が進行することがあります。
日本国内では、脳腫瘍のなかでも「神経膠腫(グリオーマ)」や「髄膜腫」が代表的な腫瘍として知られています。グリオーマは脳の神経細胞を支える組織から発生する腫瘍の総称で、悪性度によって性質が大きく異なります。進行が速い悪性度の高いタイプもある一方で、低悪性度でゆっくり経過し、経過観察が選択されるタイプもあります。症状としては、頭痛、けいれん、麻痺などがみられることがあります。
転移性脳腫瘍の症状と特徴
脳腫瘍には、脳そのものから発生する「原発性脳腫瘍」のほかに、肺や乳腺などほかの臓器のがんが脳に転移した「転移性脳腫瘍」があります。転移性脳腫瘍は原発性に比べて進行が速く、症状も急速に表れる傾向があります。
転移性脳腫瘍では、頭痛・吐き気・けいれんなどの症状が比較的短期間で強くなることがあります。すでにほかの臓器のがんで治療中の人や、治療後の経過観察中の人に新たな神経症状が現れた場合には、主治医への速やかな報告が重要です。
脳に転移を来しやすいとされるがんとしては、肺がん・乳がん・大腸がん・腎がん・悪性黒色腫などが挙げられます。原発のがんの種類や進行状況によって治療方針も異なるため、専門機関での総合的な評価が求められます。
まとめ
脳腫瘍による朝の頭痛・吐き気・初期症状は、日常的な疲労やストレスと混同されやすく、見過ごされることも多くあります。しかし、症状が繰り返したり、日を追うごとに強まったりする場合には、早めに脳神経外科や脳神経内科を受診することが望まれます。早期発見・早期治療は、その後の経過に大きな意味を持ちます。気になる症状がある人は、まずは医師に相談することから始めてみてください。
参考文献
国立がん研究センター がん情報サービス「脳腫瘍〈成人〉」
国立がん研究センター がん情報サービス「脳腫瘍〈小児〉」
国立がん研究センター 希少がんセンター「脳腫瘍(のうしゅよう)」
厚生労働省「生活習慣病予防」
- 「MRI検査後」は何をしてはいけない?”注意点”と造影剤などの副作用を医師が解説!
──────────── - 「悪性神経膠腫の余命」はグレードでどのくらい変わる?治療法と副作用も医師が解説!
──────────── - 「脳腫瘍」を発症するとどんな「後遺症」が残るかご存知ですか?【医師解説】
────────────

