介護老人福祉施設(特養)とは

介護老人福祉施設、いわゆる特別養護老人ホーム(特養)は、常時介護が必要で、自宅で生活を続けることが難しい方が入所し、日常生活上の介護や支援を受けながら暮らす施設です。ここでは、特養の役割と、入所を検討する際に気になる待機期間の特徴について解説します。
介護老人福祉施設の役割
特養の大きな役割は、介護の必要性が高い方に対して、日常生活を支える介護を継続的に提供することです。病院のように治療を中心とする場所ではなく、介護を受けながら生活を続ける場としての役割が中心です。
また、特養は在宅生活が難しくなった方の受け皿としての意味合いも大きく、長期入所を前提とした支援が行われやすい施設です。近年は、看取りまで含めた支援を行う施設も増えており、人生の最終段階まで見据えた生活の場として位置付けられることもあります。老健のように在宅復帰を主な目的とする施設とは、この点に大きな違いがあります。
待機期間の特徴
特養は、費用を抑えながら長期的な介護を受けられる施設として希望者が多く、地域によっては入所まで待機が生じることがあります。また、待機期間は単純な先着順だけで決まるとは限りません。本人の要介護度、在宅での生活継続の難しさ、介護する家族の状況、緊急性などを踏まえて、入所の必要性が高い方から優先的に調整されることがあります。そのため、同じ時期に申し込んでも入所時期が異なる場合があります。
どちらを選ぶ?目的別の選び方のポイント

介護老人保健施設と介護老人福祉施設は、どちらも高齢の方を支える施設ですが、向いているケースは同じではありません。大切なのは、施設の名前だけで選ぶのではなく、入所の目的に合っているかを考えることです。在宅復帰を目指したいのか、長期的に生活できる場所を探しているのか、できるだけ早く入所したいのかによって、選ぶべき施設は変わってきます。ここでは、目的別に選び方のポイントを解説します。
在宅復帰を目指す場合
在宅復帰を目指す場合は、介護老人保健施設が向いています。介護老人保健施設は、病状が安定している方に対して、介護だけでなくリハビリテーションや医学的管理を行い、自宅での生活へ戻ることを支援する施設です。退院後すぐに自宅へ戻るのが難しい場合や、自宅で暮らすために身体機能の回復を図りたい場合に適しています。
また、介護老人保健施設では、本人の状態に応じてリハビリや生活訓練を受けながら、家族の受け入れ準備や在宅サービスの調整も進めやすいという特徴があります。自宅に戻ることを前提に一定期間利用したい場合は、介護老人保健施設を優先して検討するとよいでしょう。
長期的な入所を希望する場合
長期的な入所を希望する場合は、介護老人福祉施設が選択肢になりやすくなります。介護老人福祉施設は、常時介護が必要で、自宅での生活が難しい方が、生活の場として継続的に入所するための施設です。食事、入浴、排泄などの日常生活全般の介護を受けながら、長く暮らしていくことを前提としています。
家族だけで介護を続けることが難しい場合や、今後も継続して介護が必要になると見込まれる場合には、介護老人福祉施設のほうが適しています。特に、在宅復帰よりも安定した生活の場を確保したい場合には、介護老人保健施設より介護老人福祉施設のほうが目的に合っています。
できるだけ早く入所したい場合
できるだけ早く入所したい場合は、介護老人保健施設のほうが検討しやすいことがあります。介護老人福祉施設は希望者が多く、地域や施設によっては待機が生じやすいため、申し込み後すぐに入所できるとは限りません。一方、介護老人保健施設は在宅復帰を前提とした施設であるため、入退所の動きがあり、状況によっては特養より早く利用につながることがあります。
ただし、実際の入所のしやすさは、本人の状態や地域の状況、施設の空き状況によって異なります。また、民間施設も含めて検討すると、より早く入所先が見つかる場合もあります。早期の入所を重視する場合は、ひとつの施設に絞らず、ケアマネジャーや地域包括支援センターに相談しながら複数の選択肢を並行して検討することが大切です。

