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「ストーカー加害者にGPS装着を」自民提言に賛否、“監視社会化”のリスクと被害者保護の課題

「ストーカー加害者にGPS装着を」自民提言に賛否、“監視社会化”のリスクと被害者保護の課題

●治療・カウンセリングを制度に組み込む

──被害者保護の必要性がある一方、GPS監視については、どのような歯止めが必要でしょうか。

制度設計上の歯止めとしては、少なくとも次の点が不可欠だと考えます。

まず、対象者の限定です。

「禁止命令にも関わらず、再犯・重大犯行の具体的危険が認められる者」に限定する必要があります。

また、装着の必要性や期間延長の可否については、裁判所による司法判断を経る仕組みが求められます。

さらに、位置情報の利用目的を厳格に限定し、被害者保護や接近警告以外には使用しないこと、データの保存期間やアクセス権限の範囲を法律で明記する必要があります。

治療・カウンセリング義務化についても、単なる「通院命令」ではなく、専門職による個別アセスメントに基づくことが重要です。

そのうえで、履行状況のフィードバックを踏まえ、監視レベルや期間を見直す「出口戦略」を制度内に組み込む必要があります。

こうしたGPSによる強い監視措置は、先ほど述べた最高裁判所判決の趣旨からしても、プライバシー侵害の程度が大きい以上、例外的な高危険事案に限定されるべきでしょう。

通報から初動対応までの運用改善、接近禁止命令の活用と違反時の機動的な逮捕、被害者支援体制の拡充といった従来型の対策を充実させたうえで、「それでもなお、防ぎきれない高リスク事案に限って用いる」という位置付けが必要だと考えます。

【取材協力弁護士】
荒木 樹(あらき・たつる)弁護士
釧路弁護士会所属。1999年検事任官、東京地検、札幌地検等の勤務を経て、2010年退官。出身地である北海道帯広市で荒木法律事務所を開設し、民事・刑事を問わず、地元の事件を中心に取り扱っている。
事務所名:荒木法律事務所
事務所URL:http://obihiro-law.jimdo.com

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