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「水分補給」の“適正量”をご存じですか? 『あの身近な飲料』が招く糖尿病リスクとは【医師が解説】

「水分補給」の“適正量”をご存じですか? 『あの身近な飲料』が招く糖尿病リスクとは【医師が解説】

健康な方にとっても過剰摂取は望ましくありませんが、特定の疾患を持つ方や薬を服用している方にとって、水分摂取量の管理はより重要な意味を持ちます。どのような状況で注意が必要なのかを整理します。

田中 茂

監修医師:
田中 茂(医師)

2002年鹿児島大学医学部医学科卒業 現在は腎臓専門医/透析専門医として本村内科医院で地域医療に従事している。
専門は内科学・腎臓内科・血液透析・腹膜透析・臨床疫学・生物統計学

過剰な水分補給を控えるべき状況と疾患

健康な方であっても過剰摂取は望ましくありませんが、特定の状況や疾患を持つ方にとって、水分摂取量の管理はさらに重要な意味を持ちます。

腎臓病・心疾患・肝疾患での水分制限

慢性腎臓病(CKD)の患者さんでは、腎臓の機能低下により余分な水分を十分に排出できないため、水分が体内に蓄積しやすくなります。むくみ・高血圧・心臓への負担増加などが起きることがあり、医師の指示のもとで水分摂取量を制限することが治療の一環とされることがあります。

心不全の患者さんも同様で、心臓のポンプ機能が低下しているため、水分が肺や全身に蓄積しやすく、過剰な水分補給が症状の悪化につながることがあります。また、肝硬変の患者さんでは腹水や浮腫(ふしゅ)が起きやすく、水分管理が病状の安定に直結します。これらの疾患を持つ方は、水分摂取量を自己判断で増やすことは避け、必ず主治医に相談してください。

薬の服用中に注意が必要なケース

利尿薬(尿を増やす薬)は腎臓病・心不全・高血圧などで使用されることがある薬で、服用中は体内のナトリウムバランスが変化しています。こうした薬を服用しながら過剰に水分を摂取すると、低ナトリウム血症のリスクが高まることがあります。

また、抗精神病薬・抗うつ薬・抗てんかん薬の中には、抗利尿ホルモン(ADH)の作用を強める副作用を持つものがあり、水分が排出されにくくなるため、通常よりも少ない水分摂取量でも低ナトリウム血症を引き起こすことがある点も覚えておくことが大切です。服用している薬と水分摂取の関係については、処方を担当する医師や薬剤師に確認することを勧めます。

「控えるべき」水分補給のパターンと見直すべき習慣

「水を飲むこと自体は良いこと」という意識があるため、自分の水分補給が過剰であると気づきにくいことがあります。日常の中で控えた方が良い習慣と、その見直し方を具体的に示します。

避けた方が良い飲み方のパターン

日常生活の中で過剰摂取につながりやすい飲み方のパターンとして、以下のようなものが挙げられます。

・「1日2〜3リットル飲まなければならない」と義務感から決まった量を飲み続ける
・のどが乾いていないのに、定時ごとに大量の水を一気飲みする
・運動後に水のみを短時間で大量補給する
・ダイエット中に「食欲を抑えるため」として必要以上の水を飲む
・夜間に「健康のため」として就寝前に大量の水を飲む習慣がある

これらは「健康のため」という意識から行われていることが多いですが、過剰な水分摂取につながるリスクがあります。水分補給は口渇感や尿の状態を参考にしながら、身体のサインに合わせて行うことが基本となります。

清涼飲料水・スポーツドリンクの過剰摂取にも注意

過剰な水分補給は水だけでなく、清涼飲料水やスポーツドリンクの飲みすぎとしても現れることがあります。これらの飲料には糖分が多く含まれているものも多く、大量摂取は血糖値の上昇や肥満・糖尿病リスクの増加につながることがあります。

スポーツドリンクは運動時の電解質補給に有効ですが、運動をしていない通常の生活の中で日常的に大量摂取することは推奨されていません。飲料の選択においても、生活シーンや身体の状態に合わせた判断が求められます。清涼飲料水の過剰摂取による健康障害は「ペットボトル症候群」とも呼ばれ、注意が必要な問題として医療機関でも取り上げられています。

配信元: Medical DOC

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