
これから夏にかけて流行が本格化する恐れのある「RSウイルス」。この4月から妊婦さん向けのRSウイルスワクチン(母子免疫ワクチン)が定期接種化され、原則無料で受けられるようになりました。そこで今回は、このワクチンについての現状をまとめてみました。
制度開始から2ヵ月が経ち、「実際のところ打ったほうがいいの?」「副反応は?」と気になっている人もいるはず。そこで、山王ウィメンズ&キッズクリニック大森の院長で髙橋怜奈医師にお話を伺いました。
健康な子こそ危ない!RSウイルスの意外な真実
RSウイルスは2歳までにほぼ100%の乳幼児が感染するといわれます。大人はただの風邪で済みますが、赤ちゃんは細気管支炎や肺炎で重症化し、入院が必要になるケースが後を絶ちません。
注目すべきは、これまでに入院した2歳未満の子のうち90%以上には基礎疾患がなかったということ。「うちは健康だから大丈夫」という理屈は通用せず、どんな赤ちゃんにも入院のリスクがあります。とくに、生後6ヵ月未満では受診した子の約4割が入院に至るというデータもあるそうです。
将来の喘息リスクを左右する!?
さらに怖いのが入院後の健康への影響です。乳幼児期にRSウイルスで入院した経験がある子は、そうでない子に比べて将来の喘息(ぜんそく)発症率が高いことが分かっています。
●喘息発症率
・3歳時点:入院の経験なし1%に対し、経験ありは23%
・7歳時点:入院の経験なし3%に対し、経験ありは30%
・13歳時点:入院の経験なし5.4%に対し、経験ありは37%
この数字を見ると、赤ちゃんの時期の感染をいかに防ぐか、重症化させないかが、その子の人生にとってどれほど重要かが分かりますね。
