2年前、400万円を失った夫に誓約書を書かせた美恵子。平穏が戻ったかに見えたが、次女の1歳の誕生日、夫が300万円もの無断投資をしていたことが発覚する。逆ギレする夫を前に、美恵子の心は完全に冷め切った。
400万という損失をしたことがある夫
2年前、庸介の隠し口座が発覚した時は、本当に離婚寸前でした。
当時の損失額は、なんと400万円。マイホームのオプションを諦め、必死に貯めたお金が、一瞬で電子の藻屑と消えたのです。
「もう二度としない。この通りだ!」
土下座する庸介の背中を見ながら、私は親友の佐代子に電話で相談しました。
『美恵子、それ病気だよ。一筆書かせなきゃダメ。証拠を固めて、いつでも逃げられるようにしなさい』
佐代子の助言に従い、私は庸介に厳しい条件を突きつけました。
証券口座のログイン情報を共有し、私がいつでも監視できる状態にすること。
現在持っている塩漬け株を精算するまで、新しい銘柄は一切買わないこと。
万が一、この約束を破れば、保有株を全て売却してその現金を私に渡し、即座に離婚に応じること。
これらを記した誓約書を書き、彼は泣きながら署名しました。
子どもたちにとってはよき父親なのだが…
それからしばらくは、平和な日々が続きました。私も定期的に口座をチェックしていましたが、庸介は約束通り、新しい取引はしていませんでした。
「パパ、今日はお外で遊ぼう!」
「おう、カンナ! 公園まで競争だぞ!」
娘と遊ぶ彼の姿は、どこからどう見ても良き父親です。
「……もう、大丈夫なのかな。彼も反省したんだよね」
私は次第に、口座のチェックを怠るようになっていきました。リイナの夜泣きや、5月の仕事復帰への準備で、それどころではなかったというのもあります。

