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カモシシーズン開幕! 伝統釣法で大物に挑む

カモシシーズン開幕! 伝統釣法で大物に挑む

外房の伝統釣法カモシ釣りはナイロンの道糸、コマセにサンマのミンチを用いた独特のスタイルで10kgオーバーのヒラマサや大ダイを狙う。

かつては多くの船宿がこの釣りに出船していたが、現在ではわずかに数えるのみとなった。

それでもその釣趣や大型と対峙できる魅力は今なお色あせない。

外房御宿岩和田港の太平丸は初夏のヒラマサ、マダイシーズンからスタートし、いい年には12月ごろまでヒラマサを追う。

取材にうかがった5月上旬は開幕以来好調とあって多くのファンが押しかけた。

勝浦沖でスタートするも開始から2時間ほどは沈黙が続いたが、ひとたびマダイが口を使いだすと連続でヒットし大型も取り込まれ、さらに小型ながらヒラマサもキャッチ。

今後は大型ヒラマサの回遊に期待。

マダイはしばらく乗っ込み大型のチャンスが継続する見込みだ。

釣行の写真

この時期は乗っ込みの大ダイが釣れるチャンス

「カモシ」とはコマセをまくことを意味する「かもす」が語源と言われている。

カモシ釣りを簡単に説明すれば、遊動テンビンを用いたコマセ釣りで、コマセはサンマのミンチを使う。

これを入れるのは金網やプラカゴではなく、木綿でできた細長い袋で、仕掛けへの絡みを防止するために垂らし糸でテンビンに接続する。

道糸もこの釣り独特で18~20号のナイロン糸を使用する。

このあたりの詳細は後述するが、すべて大型のヒラマサをも釣り上げるために考案されたものだ。

古くからある釣りだが昨今は後継者不足、ニュースになるほどのサンマの大不漁でエサ代の高騰もあって、カモシ釣りで出船する船は激減している。

そんな中、古くからこの釣りを得意としている御宿岩和田港の太平丸では、春から秋にかけて連日カモシ釣りで出船している。

そして平日でも満船になるほどの人気だ。

「やる船が少なくなったからですよ」と大野利広船長は謙遜するが、人気の理由は船長やおかみさんの人柄はもちろんメインターゲットとしてほかではなかなか狙えないヒラマサを比較的手軽にコマセ釣りで狙えること、そして独特の伝統釣法の釣趣に浸れることも大きいと思う。

またリピーターが多いことでもこの釣りの魅力をうかがい知ることができる。

カモシ釣りのシーズンは大きく分けて春~初夏と秋の2回。

初夏は乗っ込み前後の大ダイ(外房の乗っ込みは遅い)と春マサと呼ばれるヒラマサが2大ターゲットだ。

現在主に狙っている釣り場は、勝浦灯台前とやや沖目の三本松で、水深はともに50~60mほど。

ほかにも海中公園沖や機関庫出しといったポイントもある。

カモシ釣りで釣れるマダイは全体に型がよく、3kg、4kgは普通に釣れ、いい日に当たればより大型、そして数釣りも可能だ。

春マサは2~3kgの小型中心ではあるが、群れが回ってくれば7~8kg、10kgオーバーだって夢ではない。

ヒラマサは海のスプリンターと称されるほどで、姿形がよく似るワラサ、ブリとは同じ大きさなら引きの強さ、疾走力は一段も二段も上で釣り味は最高。

マダイもヒラマサも釣り場は同じで、朝イチはマダイを狙いその後ヒラマサという人が多いが、釣り人の好みで狙い分けて釣って構わない。

釣行の写真

3kgのマダイ。マダイ専門ならハリス4号使用

釣行の写真

ヒラマサ狙いはハリス8号程度

取り込み時の注意点

カモシ釣りは簡単に言えば「遊動テンビンを使ったコマセ釣り」と考えてよいが、所作で気を付けたいのが魚の取り込み時。

カモシ釣りではテンビンを竿先一杯まで巻き上げハリスをたぐるのが基本で、これはヒラマサが水面下で急に走った場合に対応するため。

とくに大型が食ったときは意識しよう。

釣行の写真

ヒラマサが走っても対応できるようにする

道糸はナイロンライン 仕掛けは専用の遊動テンビン

カモシ釣りで使う竿は全長2.1~2.4m前後で「しっかりとカモせる(コマセが振り出せる)」強めの胴を持った竿。

最近ではなかなか専用竿はお目にかかれず、ワラサ用よりも強めの青物竿、少し長さ不足ではあるがコマセのカツオ釣り用の竿といった選択をする方が多い。

マダイ竿のような胴調子はカモシ釣りには向かない。

以前この釣りではリールといえばレバードラグ式両軸リール一択だったが、最近は電動リールを使う方も多い。

番手はシマノなら3000番、ダイワなら500番サイズが適当だ。

道糸はナイロンラインの18~20号で、15~40ヒロまで5ヒロごとにピンク糸(呼び名であって色はピンク以外各種あり)と呼ばれる撚り糸を目印として編み付けた糸を使用する(1ヒロ=1.5m)。

指示されることの多い18ヒロ、28ヒロにも目印を付けるとよりベターだ。

テンビン周りは慣れないと複雑に感じるが、ようは遊動テンビンに垂らし糸を使ってカモシ袋、オモリをぶら下げ、リング付きの中糸を介してクッションゴム、ハリスを接続しているだけ。

遊動テンビンの中を通る中糸の先には、クッションゴムを介しハリス(仕掛け)を結ぶ。

マダイ狙いならハリス4~5号で長さは10m前後。

ハリはマダイバリ9~10号とコマセダイとほぼ同じ。

ヒラマサ狙いにはハリス8~12号で長さは6~7.5m。

ハリの大きさはエサ、魚のサイズによって変える。

サンマの切り身ならグレかヒラマサバリの12号前後、ヒイカかイカゲソを使うならヒラマサバリの13~15号前後といった具合。

各部の接続にはスナップではなくハワイアンフックが確実で、オマツリなどのトラブルも少なくなる。

カモシ仕掛けは昭和の時代に大型のヒラマサを確実に釣り上げるために考案されたものだ。

そのころに比べてリールのドラグ性能やラインの強度も上がっていて、正直ナイロンラインの必要性はそこまでないとも言える。

実際PEラインの使用もOKとしている船宿がほとんどだが、個人的にはナイロンラインあってのカモシ釣りと感じている。

太平丸では無料で竿とナイロン道糸付きのリール、カモシテンビン周りなどを貸し出しているので、クッションゴムから先を持参すれば釣りができる。

初めてならこれを利用してカモシ釣りを体験していただきたい。

仕掛けの図

配信元: FISHING JAPAN