独特なコマセの振り方でしっかり「カモして」誘う
カモシ釣りはまずコマセ作りから始まる。
船には冷凍のサンマミンチが用意されているので、これをコマセバケツの中に入れ海水で溶かす。
溶かす目安はカレーやシチューくらいの柔らかさだが、一気に海水で溶かそうとするとゆるくなりすぎる傾向があるので、様子を見ながら3回くらいに分けて溶いていこう。
これをポンプでカモシ袋に注入してコマセの準備は完了だ。
付けエサはサンマのブツ切りが配られる。
エサ付けは、中骨をハサミで切り取ってから、身側からハリを刺し、折り曲げて皮から身側へと抜く。
ようは皮を内側に隠すようにエサ付けする。
現在釣れているヒラマサは小型が多いのでエサはサンマのブツでイカのゲソなどイカ類がヒラマサの特エサと言われているので、ヒラマサを狙いたいなら持参しよう。
釣り方はコマセ釣りとほぼ同様。
指示ダナは上からで「15ヒロ、22m50」というように、PEライン使用者用にm単位でも指示される。
指示ダナよりもハリスの長さ分下へ下ろし、コマセを振りながらタナに合わせるのだが、コマセの振り方がカモシ釣り独特。
ただ竿をあおっただけでは、カモシ袋からコマセはほとんど出ない。
竿先を海面の位置から頭上目一杯まで振り上げ、そこから竿を振り下ろす。
このときにカモシ袋が反転し、コマセがゴボッと海中にこぼれ出るのであって、メリハリを付けたストロークの大きな竿の上下動を意識しよう。


マダイにヒラマサ、メダイも伝統釣法で次つぎヒット!
取材は5月の中旬。朝一のポイントは勝浦灯台沖で「はいやってみましょう。タナは15ヒロ、22m50」で各自カモシ道具を投入。
しばらくしてコマセワークに入るが、マダイやワラサなど普通のコマセ釣りに比べ、竿の動きが大きく激しい。
カモシ釣りならではの風景だ。
この日の釣り人は10名で、レバードラグ式リールにナイロン道糸の方が4名、電動リールにナイロン道糸が2名、電動リールにPEラインが4名。
「うちはナイロン道糸のお客さんが多いかな。とくに平日は常連さんが多いせいもあってナイロンラインがほとんどだね」と船長。
皆さん一生懸命にカモしているが、開始から1時間はまったくのなしのつぶて。
エサも取られない状況だった。
これは悪い日に来ちゃったかなと思っていると左舷トモでアタった様子。
駆け付けると、その隣の左舷トモ2番でもほぼ同時にヒットしたようだ。
最初に上がってきたのはトモ2番氏で、これはカモシ釣りとしては小型の部類0.8kgのマダイだったが、その後で船長にタモ取りされたトモの方のマダイは後検量3kgジャストの良型だった。
さっそく撮影させてもらっていると、右舷でもアタったらしい。
こちらもトモとミヨシのダブルヒット。
二人とも常連さんで慣れた手つきですんなりと魚を浮かせ、難なく取り込まれたのはトモ氏が1.5kg級のマダイ、ミヨシ氏には2kg強のヒラマサだった。
「このところ釣れるヒラマサはこのくらいのサイズが多く、まだ良型は回ってきていないみたい」と船長。
だがイエローラインもくっきりと出たヒラマサはやはりカッコいい。
それにしても最初の1枚からここまで10分足らずで怒とうの連発。
カモシの威力を実感する。
真潮がトロリと流れ出したタイミングで食ったようで、その後もポツリ、ポツリとどこかで竿が曲げられる展開。
釣れるのはマダイ、時折ヒラマサとメジナといった感じで、マダイは後検量3.84kgも上がった。
10時近くになって三本松へと移動。
タナは18ヒロ、27m。
ここもカモシ釣りの名ポイントだが「昨日は潮が速すぎて」と船長。
この日も潮は流れていたが、釣りに支障をきたすほどではないようだ。
ここで竿を大きく曲げたのは左舷のトモ。
途中の引きもかなり強いがヒラマサのようなスピード感はない。
なんだ?なんだ?だったが船長は先刻承知の様子で、上がってきたのはメダイ。
4kg近そうな良型だった。
「最近時どき釣れている」と船長。
ただこの辺りの水深は60mほど。
メダイは水深100m以深と思っていたので驚きだった。
この後もポツポツとマダイが上がり、ここまで蚊帳の外状態だったミヨシ寄りの方が最後の最後に竿を曲げたが、これはメジナで苦笑いの残念。
これがラストフィッシュとなってこの日は沖揚がりとなった。
この日の釣果はマダイが3.84kgを頭に船中8枚、ヒラマサは2~2.5kg級を船中3本。
そのほかメダイ、メジナ、イサキが釣れていた。
今後も太平丸ではカモシ釣りで出船予定。
秋の大型ヒラマサシーズンまでのロングランに期待が膨らむ外房の伝統釣法だ。

マダイは乗っ込み中で大型のチャンス。当日最大は3.84kgだった

メダイも定番ゲスト

