血液検査の「CK値」の異常で気をつけたい病気・疾患
ここではメディカルドック監修医が、「CK値」の異常から疑われる病気を紹介します。どのような症状なのか、他に身体部位に症状が現れる場合があるのか、など病気について気になる事項を解説します。
急性心筋梗塞
急性心筋梗塞は、動脈硬化によるプラークと血栓により心臓の冠動脈が急につまって心筋が壊死する病気で、高血圧や糖尿病、脂質異常症、喫煙などが主な原因です。治療はできるだけ早く詰まった血管を再び開通させる再灌流療法(カテーテルによる冠動脈インターベンションや血栓溶解療法など)が中心で、薬物療法や心臓リハビリテーションも行われます。30分以上続く強い胸痛、冷や汗、吐き気、呼吸苦などがあれば救急車を呼び、救急外来または循環器内科を標榜する病院を受診してください。
甲状腺機能低下症・亢進症
甲状腺機能低下症は甲状腺ホルモンが不足して、だるさ・寒がり・体重増加・むくみなどが出る病気で、多くは橋本病など自己免疫が原因です。甲状腺機能亢進症はホルモンが過剰になり、動悸・体重減少・汗が止まらない・手の震え・いらいらなどが起こり、代表がバセドウ病です。いずれも内服薬(低下症では甲状腺ホルモン補充薬、亢進症では抗甲状腺薬)が基本治療で、場合により手術や放射性ヨウ素治療を行います。疲れやすさ、体重の急な増減、動悸・息切れ、寒がり、首の腫れなどが続くときは受診の目安となり、まず内科・内分泌内科や、甲状腺外来のある医療機関を受診してください。
横紋筋融解症
横紋筋融解症は、けがや長時間の圧迫、熱中症、過度な運動、薬剤などが原因で骨格筋が壊れ、筋肉内の成分(ミオグロビンやCKなど)が血液中に大量に漏れ出してしまう病気です。放置するとミオグロビンが腎臓を傷つけ、急性腎不全を起こして命に関わります。治療は原因となる薬剤や負荷を中止したうえで、点滴や多量の水分補給により腎臓を守ることが基本です。重症例では透析が必要となります。強い筋肉痛や筋力低下、歩きにくさ、茶色〜赤色の尿、強い倦怠感や発熱などがある場合は、すぐに内科・腎臓内科、または救急外来を受診してください。
多発性筋炎
多発性筋炎は、自己免疫の異常によって肩や太ももなどの筋肉に炎症が起こり、筋力低下や筋肉痛、階段が上がりにくい・物が持ち上げにくいなどの症状が続く病気です。発症の背景には、自分の免疫が筋肉を攻撃してしまう仕組みが関与すると考えられます。治療は入院のうえ安静を保ちつつ、プレドニゾロンなどの副腎皮質ステロイド内服が基本です。必要に応じて免疫抑制薬を併用し、病状の改善とともに少しずつ減量していきます。数週間以上続く筋肉痛や筋力低下、立ち上がりにくさ、階段昇降困難、嚥下(飲み込み)のしづらさ、息切れ、原因不明の発熱や体重減少などがある場合は、膠原病内科・リウマチ科や脳神経内科(神経内科)のある医療機関を受診してください。
血液検査のCK値を下げるには?正しい対処法や過ごし方のポイント
CK値が高いと言われると「すぐ下げなければ」と不安ですが、大切なのは数値そのものよりも原因を見極めて、適切な治療や生活の工夫で筋肉や心臓への負担を減らしていくことです。
血液検査前の運動や生活習慣の注意点
健康診断前にCK値を正しく評価するためには、前日や当日に激しい運動や長時間の入浴、サウナなどで体に強い負担をかけないことが大切です。また、脱水もCK値を一時的に高くする原因のため、水分をこまめにとり、過度な飲酒を控えての受診を心がけます。
血液検査でCK値が高いことがわかったら放置せず医療機関へ
自覚症状が乏しくても、心筋梗塞や横紋筋融解症、薬剤性の筋障害など重大な病気が隠れている可能性を考慮します。特に、胸の痛み・息切れ、強い筋肉痛や筋力低下、歩きにくさ、茶色い尿、発熱や強い倦怠感などを伴うときは、すぐに受診し、必要に応じて救急外来の受診も検討してください。

